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塩鉄論 / 和親篇

大夫曰:「自春秋諸夏之君、會聚相結、三會之後、乖疑相從、伐戰不止、六國從親、冠帶相接、然未嘗有堅約。況禽獸之國乎!春秋存君在楚、詰鼬之會書公、紿夷、狄也。匈奴數和親、而常先犯約、貪侵盜驅、長詐之國也。反復無信、百約百叛、若朱、象之不移、商均之不化。而欲信其用兵之備、親之以德、亦難矣。」

新字:大夫曰:「自春秋諸夏之君、会聚相結、三会之後、乖疑相従、伐戦不止、六国従親、冠帯相接、然未嘗有堅約。況禽獣之国乎!春秋存君在楚、詰鼬之会書公、紿夷、狄也。匈奴数和親、而常先犯約、貪侵盗駆、長詐之国也。反復無信、百約百叛、若朱、象之不移、商均之不化。而欲信其用兵之備、親之以徳、亦難矣。」

書き下し

大夫曰く、春秋よりこのかた諸夏の君、會聚して相結ぶも、三會の後、乖疑して相從い、伐戰止まず。六國從親し、冠帶相接するも、然れども未だ嘗て堅約有らず。況んや禽獸の國をや。春秋、君を存して楚に在り。詰鼬の會に公を書す。夷・狄を紿くなり。匈奴は數々和親して、常に先ず約を犯す。貪侵盜驅、詐りを長ずるの國なり。反復して信無く、百たび約して百たび叛く。朱・象の移らず、商均の化せざるが若し。而るに其の用兵の備えを信じ、之に親しむに德を以てせんと欲するも、亦た難きかな。

現代語訳

大夫が言った。「春秋以来、中華の君主たちは集まって盟約を結んだが、三度目の会合の後には食い違いと疑いが生じ、それに従って攻め合いがやまなかった。六国は合従して親しみ、冠と帯を接するほど近づいたが、それでも堅い約束が保たれたことはない。まして禽獣のような国ならなおさらだ。春秋は、君が楚にとらわれているときもその君を存置したものとして書き、詰鼬の会には『公』と書いた。夷狄を欺くためである。匈奴はたびたび和親を結びながら、いつも先に約束を破る。貪って侵し、盗んで駆り立てる、偽りを事とする国だ。裏返しては信を欠き、百たび約束して百たび叛く。朱や象が改まらず、商均が教化されなかったのと同じだ。それなのにその兵備を信じ、徳をもって親しもうとするのは、やはり難しかろう」

解説

文学が「善いものを送って悪いものが返った例は聞かない」と言ったのを、大夫が約束の履歴で反証した段です。中華の諸侯どうしですら三度目の会合で疑いが生じ、六国の合従も堅い約束にはならなかった。同じ文化の内側でさえそうなのだ、と。そのうえで相手の記録を出します。**百たび約束して、百たび叛く。**朱や象が改まらなかった例まで引いて、性質の問題だと押し込みます。徳で親しむのはやはり難しかろう、と結ぶ形です。

この章句が説くこと

反復して信無く百たび約して百たび叛く匈奴は数々和親して常に先ず約を犯す六国従親し冠帯相接するも未だ嘗て堅約有らず約束信用履歴

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