塩鉄論 / 散不足篇
「古者、衣服不中制、器械不中用、不粥於市。今民間雕琢不中之物、刻畫玩好無用之器。玄黃雜青、五色繡衣、戲弄蒲人雜婦、百獸馬戲鬥虎、唐銻追人、奇蟲胡妲。
新字:「古者、衣服不中制、器械不中用、不粥於市。今民間雕琢不中之物、刻画玩好無用之器。玄黄雑青、五色繡衣、戯弄蒲人雑婦、百獣馬戯鬥虎、唐銻追人、奇虫胡妲。
書き下し
古者、衣服の制に中らず、器械の用に中らざるは、市に粥がず。今民間は不中の物を雕琢し、玩好無用の器を刻畫す。玄黃青を雜え、五色の繡衣あり、蒲人雜婦を戲弄し、百獸馬戲鬥虎、唐銻追人、奇蟲胡妲あり。
現代語訳
昔は、衣服で規格に合わないもの、器物で実用に合わないものは、市に出さなかった。いま民間では規格に合わない物に彫りを入れ、愛玩用の役に立たない器に絵を描く。黒と黄に青を混ぜ、五色の刺繍を施した衣がある。人形や女形をもてあそぶ見世物、百獣の芸や馬の曲芸、虎と闘わせる出し物、綱渡りや追いかけの芸、珍しい虫や異国の踊り子まである。
解説
三つめは商品と娯楽です。**規格に合わない衣服、実用に合わない器物は、そもそも市に出さなかった。**売ってよい物の線が、供給の側で引かれていたということです。いまは役に立たない物に彫りを入れ、絵を描いて売る。実用を離れた商品と見世物が並ぶ様子は、経済が豊かになった証拠とも読めますし、賢良の言う「散不足」——散らばって足りなくなる病の症状とも読める。同じ光景を、二通りに読める箇所です。
この章句が説くこと
制に中らず用に中らざるは市に粥がず玩好無用の器を刻画す五色の繡衣規格無用消費
関連する章句
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