塩鉄論 / 孝養篇
丞相史曰:「上孝養色、其次安親、其次全身。往者、陳余背漢、斬於泜水、五被邪逆、而夷三族。近世、主父偃行不軌而誅滅、呂步舒弄口而見戮、行身不謹、誅及無罪之親。由此觀之:虛禮無益於己也。文實配行、禮養俱施、然後可以言孝。孝在實質、不在於飾貌、全身在於謹慎、不在於馳語也。」
新字:丞相史曰:「上孝養色、其次安親、其次全身。往者、陳余背漢、斬於泜水、五被邪逆、而夷三族。近世、主父偃行不軌而誅滅、呂歩舒弄口而見戮、行身不謹、誅及無罪之親。由此観之:虚礼無益於己也。文実配行、礼養倶施、然後可以言孝。孝在実質、不在於飾貌、全身在於謹慎、不在於馳語也。」
書き下し
丞相史曰く、上孝は色を養い、其の次は親を安んじ、其の次は身を全うす。往者、陳余は漢に背き、泜水に斬らる、五被は邪逆して、三族を夷らる。近世、主父偃は不軌を行いて誅滅せられ、呂步舒は口を弄して戮を見る、身を行うこと謹まざれば、誅は無罪の親に及ぶ。此に由りて之を觀るに、虛禮は己に益無きなり。文實行を配し、禮養俱に施し、然る後に以て孝を言うべし。孝は實質に在りて、貌を飾るに在らず、身を全うするは謹愼に在りて、馳語に在らざるなり。
現代語訳
丞相史が言った。「上等の孝は親の顔色を和らげることであり、その次は親を安んじること、その次は自分の身を全うすることである。かつて陳余は漢に背いて泜水で斬られ、伍被は謀反に加わって一族三代が皆殺しになった。近ごろでは主父偃が法に外れたことをして誅滅され、呂歩舒は口を弄して殺された。身の処し方を慎まなければ、誅罰は罪のない親にまで及ぶ。こうしてみると、うわべの礼は自分の役に立たない。文と実が行いに揃い、礼と養いをともに施し、そのうえではじめて孝を語れる。孝は実質にあって、見た目を飾ることにはない。身を全うすることは慎みにあって、言葉を走らせることにはないのだ」
解説
丞相史はここで、文学が挙げた三段階を書き換えています。文学は「上孝は志を養う」と言いました。丞相史は「上孝は色を養う」に変え、その下に「親を安んじる」「身を全うする」を置いた。**志より、まず親を巻き込まないこと**、という並べ方です。そして名を挙げます。陳余、伍被、主父偃、呂歩舒——いずれも本人の言動が原因で一族に累が及んだ例です。「身を全うするは謹慎に在りて、馳語に在らず」。言葉を走らせるな、という警告で、これは目の前の文学に向けられています。
この章句が説くこと
身を行うこと謹まざれば誅は無罪の親に及ぶ孝は実質に在りて貌を飾るに在らず身を全うするは謹慎に在り言動責任家族
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