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塩鉄論 / 園池篇

大夫曰:「諸侯以國為家、其憂在內。天子以八極為境、其慮在外。故宇小者用菲、功巨者用大。是以縣官開園池、總山海、致利以助貢賦、修溝渠、立諸農、廣田牧、盛苑囿。太僕、水衡、少府、大農、歲課諸入田牧之利、池籞之假、及北邊置任田官、以贍諸用、而猶未足。今欲罷之、絕其源、杜其流、上下俱殫、困乏之應也、雖好省事節用、如之何其可也?」

新字:大夫曰:「諸侯以国為家、其憂在内。天子以八極為境、其慮在外。故宇小者用菲、功巨者用大。是以県官開園池、総山海、致利以助貢賦、修溝渠、立諸農、広田牧、盛苑囿。太僕、水衡、少府、大農、歳課諸入田牧之利、池籞之仮、及北辺置任田官、以贍諸用、而猶未足。今欲罷之、絶其源、杜其流、上下倶殫、困乏之応也、雖好省事節用、如之何其可也?」

書き下し

大夫曰く、諸侯は國を以て家と為す、其の憂いは內に在り。天子は八極を以て境と為す、其の慮りは外に在り。故に宇小なる者は用菲く、功巨なる者は用大なり。是を以て縣官は園池を開き、山海を總べ、利を致して以て貢賦を助け、溝渠を修め、諸農を立て、田牧を廣め、苑囿を盛んにす。太僕・水衡・少府・大農は、歲ごとに諸々の田牧の利、池籞の假に入るを課し、及び北邊に任田官を置きて、以て諸用を贍す、而も猶お未だ足らず。今之を罷めんと欲す、其の源を絕ち、其の流れを杜がば、上下俱に殫き、困乏の應なり、事を省き用を節するを好むと雖も、之を如何ぞ其れ可ならんや。

現代語訳

大夫が言った。「諸侯は自分の国を家とするから、その憂いは内側にある。天子は世界の果てまでを境とするから、その思案は外にある。だから構えが小さい者は費用も少なく、事業が大きい者は費用も大きい。だから官は園と池を開き、山海を統べ、利を上げて貢租を補い、水路を整え、農官を置き、田と牧場を広げ、御苑を充実させた。太僕・水衡・少府・大農は、毎年、田や牧場の利益、池や禁苑の貸付料からの収入を割り当てとして課し、さらに北の辺境に屯田の官を置いて、諸経費を賄っている。それでもまだ足りない。いまこれをやめようという。その源を絶ち、流れを塞げば、上も下も尽き果てる。困窮するに決まっている。事務を減らし費用を節約するのが好きだとしても、どうしてそれが通るというのか」

解説

議論が財源の規模に戻りました。大夫の言い分は単純で、構えが大きければ費用も大きい。諸侯なら国の内側だけ見ていればよいが、天子は世界の果てまでを境としている、と。ここで言われている「宇小なる者は用菲く、功巨なる者は用大なり」は、費用を論じる前に事業の規模を論じよ、という主張です。組織でも、経費削減の話が出るたびに問われるべきなのは、そもそも何をどこまでやると決めているかのほうです。ただしそれは、事業の規模そのものが正しいかを問う道も開きます。

この章句が説くこと

宇小なる者は用菲く功巨なる者は用大なり其の源を絶ち其の流れを杜ぐ天子は八極を以て境と為す規模費用財源

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