淮南子 / 要略
秦國之俗,貪狼強力,寡義而趨利。可威以刑,而不可化以善;可勸以賞,而不可厲以名。被險而帶河,四塞以為固,地利形便,畜積殷富。孝公欲以虎狼之勢而吞諸侯,故商鞅之法生焉。
新字:秦国之俗,貪狼強力,寡義而趨利。可威以刑,而不可化以善;可勧以賞,而不可厲以名。被険而帯河,四塞以為固,地利形便,畜積殷富。孝公欲以虎狼之勢而呑諸侯,故商鞅之法生焉。
書き下し
秦國の俗、貪狼強力にして、義 寡なくして利に趨る。威すに刑を以てす可くして、化するに善を以てす可からず。勸むるに賞を以てす可くして、厲ますに名を以てす可からず。險を被り河を帶とし、四塞 以て固めと爲す。地利 形便にして、畜積 殷富なり。孝公 虎狼の勢を以て諸侯を吞まんと欲す。故に商鞅の法 生ず。
現代語訳
秦の国の風は、貪欲で狼のように強く、義が少なく利に走る。刑で威すことはできるが、善で感化することはできない。賞で励ますことはできるが、名誉で奮い立たせることはできない。険しい地形をまとい黄河を帯とし、四方の要害を守りとする。地の利は形よく、蓄えは豊かである。孝公は虎狼の勢いで諸侯を呑もうとした。だから商鞅の法が生まれた。
解説
商鞅の法家が、秦という土地の性質から説明されます。名誉では動かず、賞と刑でなら動く民。その条件に合わせた統治術として、あの厳格な法が出てきた。だから他の土地にそのまま持ち込めば合わない、という含みも読めます。要略の諸子解説は、どれも「その場でこそ生まれた」という形で書かれています。その場でこそ生まれた、という形で諸子が並べられています。
この章句が説くこと
秦国の俗貪狼強力にして義寡なくして利に趨る威すに刑を以てす可くして化するに善を以てす可からず勧むるに賞を以てす可くして厲ますに名を以てす可からず険を被り河を帯とし四塞以て固めと為す孝公虎狼の勢を以て諸侯を吞まんと欲す故に商鞅の法生ず孝公虎狼の勢を以て諸侯を呑まんと欲す故に商鞅の法生ず
関連する章句
-
『呻吟語』外篇・治道・餘懼と餘望人を罰するに盡くは其の罪を數へずんば、則ち餘懼有り。人を賞するに盡くは其の功を數へずんば、則ち餘望有り。
-
『韓非子』用人第二十七罪は甲に生じて、禍は乙に帰すれば、伏怨乃ち結ぶ。故に至治の国は、賞罰有りて喜怒無し、故に聖人極まる。
-
『武治提要』賞罰・第4段賞罰を嚴重にするは、たとへば活潑のけやけき藥を飮がごとし、的中するときは大利あり、的中せざるときは大害あり。故に吾に得る處あらずして、人の糟粕を咬て、以て嚴重をなすべからず。然れども嚴重を以てせざるときは、戰國にあつて國を廣し、兵を强して、社稷を全することを得べからず。武將の勤力此間にあり。賞物亦三等あり。言を以て賞し、物を以て賞し、地を以て賞すこれ也。一等各上中下を具す。故に賞物亦九等たり。地を以てするは功の上なり、物を以てするはこれに次、言を以てするは又これに次り。凡武將剛臆褒貶の言辭は、平日の政令にして、武俗を化するの本なり。其かゝる處甚重し。夫人々の好惡、其趣意同しからざるを以て、毀譽の批判必ず同じからず。これを一決すること、武將の批判にあり。
-
司馬法・嚴位若し将に復た戦わんとすれば、則ち賞罰を重くす。
-
『潜夫論』正列旧時、京師は動功を防がず、禁を造りて以来、吉祥応瑞、子孫昌熾なること、前に過ぐる能わず。且つ夫れ君を以て臣を畏れ、上を以て下を需むれば、則ち必ず弱きを示して陵がれを取らん、殆ど福を致すの招きに非ざるなり。嘗て上記を観るに、人君の身修まり正しく賞罰明らかなる者は、国治まりて民安し。民安楽なれば、天悦喜して曆数を増す。故に『書』に曰く、「王は小民を以て、天の永命を受く」と。孔子曰く、「天の助くる所の者は、順なり。人の助くる所の者は、信なり」と。信を履みて順を思い、又以て賢を尚ぶ、是を以て天より之を祐け、吉にして利しからざる無し、此れ最も凶災を却けて福善を致すの本なり。
-
『重職心得箇条』第九条刑賞与奪の権は、人主のものにして、大臣是れ預かるべきなり。倒(さかし)まに有司に授くべからず。斯くの如き大事に至っては、厳敷(きびし)く透間あるべからず。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る