淮南子 / 要略
故言道而不明終始,則不知所仿依;言終始而不明天地四時,則不知所避諱;言天地四時而不引譬援類,則不知精微;言至精而不原人之神氣,則不知養生之機;原人情而不言大聖之德,則不知五行之差;言帝道而不言君事,則不知小大之衰;言君事而不為稱喻,則不知動靜之宜;言稱喻而不言俗變,則不知合同大指;已言俗變而不言往事,則不知道德之應;知道德而不知世曲,則無以耦萬方;知氾論而不知詮言,則無以從容;通書文而不知兵指,則無以應卒已;知大略而不知譬喻,則無以推明事;知公道而不知人間,則無以應禍福;知人間而不知修務,則無以使學者勸力。
新字:故言道而不明終始,則不知所仿依;言終始而不明天地四時,則不知所避諱;言天地四時而不引譬援類,則不知精微;言至精而不原人之神気,則不知養生之機;原人情而不言大聖之徳,則不知五行之差;言帝道而不言君事,則不知小大之衰;言君事而不為称喻,則不知動静之宜;言称喻而不言俗変,則不知合同大指;已言俗変而不言往事,則不知道徳之応;知道徳而不知世曲,則無以耦万方;知氾論而不知詮言,則無以従容;通書文而不知兵指,則無以応卒已;知大略而不知譬喻,則無以推明事;知公道而不知人間,則無以応禍福;知人間而不知修務,則無以使学者勧力。
書き下し
故に道を言いて終始を明らかにせざれば、則ち仿依する所を知らず。終始を言いて天地四時を明らかにせざれば、則ち避諱する所を知らず。天地四時を言いて譬を引き類を援かざれば、則ち精微を知らず。至精を言いて人の神氣を原ねざれば、則ち養生の機を知らず。人情を原ねて大聖の德を言わざれば、則ち五行の差を知らず。帝道を言いて君事を言わざれば、則ち小大の衰を知らず。君事を言いて稱喻を爲さざれば、則ち動靜の宜しきを知らず。稱喻を言いて俗變を言わざれば、則ち大指を合同するを知らず。已に俗變を言いて往事を言わざれば、則ち道德の應を知らず。道德を知りて世曲を知らざれば、則ち以て萬方に耦する無し。氾論を知りて詮言を知らざれば、則ち以て從容する無し。書文に通じて兵指を知らざれば、則ち以て卒に應ずる無きのみ。大略を知りて譬喻を知らざれば、則ち以て事を推し明らかにする無し。公道を知りて人間を知らざれば、則ち以て禍福に應ずる無し。人間を知りて修務を知らざれば、則ち以て學者をして力を勸めしむる無し。
現代語訳
道を語って始めと終わりを明らかにしなければ、何に依るべきかが分からない。始めと終わりを語って天地四季を明らかにしなければ、何を避けるべきかが分からない。天地四季を語ってたとえを引かなければ、細やかなところが分からない。極まった精を語って人の神気をもとから尋ねなければ、養生のかなめが分からない。人情をもとから尋ねて大聖の徳を語らなければ、五行の差が分からない。帝の道を語って君主の実務を語らなければ、大小の移り変わりが分からない。君主の実務を語ってたとえを添えなければ、動くと止まるの加減が分からない。たとえを語って風俗の変化を語らなければ、大意をまとめられない。風俗の変化を語って昔の事を語らなければ、道徳がどう応じるかが分からない。道徳を知って世の入り組みを知らなければ、あらゆる方面に対応できない。氾論を知って詮言を知らなければ、ゆったり構えられない。書物に通じて兵の要点を知らなければ、急な事態に応じられない。大略を知ってたとえを知らなければ、事を推して明らかにできない。公の道を知って人の世を知らなければ、禍福に応じられない。人の世を知って修務を知らなければ、学ぶ者に力を尽くさせられない。
解説
この章句が説くこと
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