淮南子 / 泰族訓
古者設法而不犯,刑錯而不用,非可刑而不刑也;百工維時,庶績咸熙,禮義修而任賢德也。故舉天下之高,以為三公;一國之高,以為九卿;一縣之高,以為二十七大夫;一鄉之高,以為八十一元士。故智過萬人者謂之英,千人者謂之俊,百人者謂之豪,十人者謂之傑。
新字:古者設法而不犯,刑錯而不用,非可刑而不刑也;百工維時,庶績咸熙,礼義修而任賢徳也。故舉天下之高,以為三公;一国之高,以為九卿;一県之高,以為二十七大夫;一郷之高,以為八十一元士。故智過万人者謂之英,千人者謂之俊,百人者謂之豪,十人者謂之傑。
書き下し
古者 法を設けて犯さず、刑 錯きて用いず。刑す可くして刑せざるに非ざるなり。百工 時を維ぎ、庶績 咸な熙り、禮義 修まりて賢德に任ずればなり。故に天下の高きを舉げて、以て三公と爲す。一國の高きを、以て九卿と爲す。一縣の高きを、以て二十七大夫と爲す。一鄉の高きを、以て八十一元士と爲す。故に智の萬人に過ぐる者は之を英と謂い、千人なる者は之を俊と謂い、百人なる者は之を豪と謂い、十人なる者は之を傑と謂う。
現代語訳
昔は法を設けても犯す者がなく、刑を置いても用いなかった。罰すべきなのに罰さなかったのではない。あらゆる職人が時に従い、あらゆる仕事が栄え、礼義が修まって賢く徳のある者に任せていたからである。だから天下でもっとも高い者を挙げて三公とし、一国でもっとも高い者を九卿とし、一県でもっとも高い者を二十七人の大夫とし、一郷でもっとも高い者を八十一人の元士とした。智が万人にまさる者を英といい、千人にまさる者を俊といい、百人にまさる者を豪といい、十人にまさる者を傑という。
解説
刑罰が使われない状態を、寛大さではなく人事の結果として説明します。天下から郷まで、それぞれの単位でいちばん高い者を置いた。範囲ごとに一人ずつ、という設計です。続いて英・俊・豪・傑という四段階が示されます。すべての人に万人並みを求めるのではなく、十人にまさる者にも名前と居場所が与えられている。万人並みを全員に求めない、という設計になっているのが要点です。
この章句が説くこと
古者法を設けて犯さず刑錯きて用いず刑す可くして刑せざるに非ざるなり百工時を維ぎ庶績咸な熙り礼義修まりて賢徳に任ずればなり天下の高きを舉げて以て三公と為す一国の高きを以て九卿と為す智の万人に過ぐる者は之を英と謂い千人なる者は之を俊と謂う百人なる者は之を豪と謂い十人なる者は之を傑と謂う人事
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