淮南子 / 泰族訓
故臧武仲以其智存魯,而天下莫能亡也;璩伯玉以其仁甯衛,而天下莫能危也。《易》曰:「豐其屋,蔀其家,窺其戶,闃其無人。」無人者,非無眾庶也,言無聖人以統理之也。
新字:故臧武仲以其智存魯,而天下莫能亡也;璩伯玉以其仁甯衛,而天下莫能危也。《易》曰:「豊其屋,蔀其家,窺其戸,闃其無人。」無人者,非無眾庶也,言無聖人以統理之也。
書き下し
故に臧武仲 其の智を以て魯を存し、天下 能く亡ぼす莫きなり。璩伯玉 其の仁を以て衛を甯んじ、天下 能く危うくする莫きなり。易に曰く「其の屋を豐かにし、其の家を蔀う。其の戶を窺えば、闃として其れ人無し」と。人無しとは、眾庶無きに非ざるなり。聖人の以て之を統理する無きを言うなり。
現代語訳
臧武仲はその知恵で魯を保ち、天下の誰も滅ぼせなかった。璩伯玉はその仁で衛を安んじ、天下の誰も危うくできなかった。『易』に「その屋根を大きくし、その家を覆う。戸口をのぞけば、ひっそりとして人がいない」とある。人がいないとは、住人がいないという意味ではない。統べ治める聖人がいない、ということである。
解説
「人無しとは、眾庶無きに非ざるなり」。大きな屋根の立派な家の中をのぞくと、しんとしている。人数はいるのに、束ねる人がいない状態を「無人」と呼んでいます。組織の空洞を言い当てた読み替えです。逆の例が二つ、臧武仲と璩伯玉。一人いるだけで、天下の誰も手を出せなくなる。
この章句が説くこと
臧武仲其の智を以て魯を存し天下能く亡ぼす莫きなり璩伯玉其の仁を以て衛を甯んじ天下能く危うくする莫きなり易に曰く其の屋を豊かにし其の家を蔀う其の戸を窺えば闃として其れ人無し人無しとは眾庶無きに非ざるなり聖人の以て之を統理する無きを言うなり人材
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