淮南子 / 泰族訓
治大者道不可以小,地廣者制不可以狹,位高者事不可以煩,民眾者教不可以苛。夫事碎難治也,法煩難行也,求多難澹也。寸而度之,至丈必差;銖而稱之,至石必過。石稱丈量,徑而寡失;簡絲數米,煩而不察。
新字:治大者道不可以小,地広者制不可以狭,位高者事不可以煩,民眾者教不可以苛。夫事砕難治也,法煩難行也,求多難澹也。寸而度之,至丈必差;銖而称之,至石必過。石称丈量,径而寡失;簡糸数米,煩而不察。
書き下し
大を治むる者は道 以て小なる可からず。地 廣き者は制 以て狹き可からず。位 高き者は事 以て煩わしかる可からず。民 眾き者は教え 以て苛なる可からず。夫れ事 碎ければ治め難きなり。法 煩わしければ行い難きなり。求むること多ければ澹たし難きなり。寸にして之を度れば、丈に至りて必ず差う。銖にして之を稱れば、石に至りて必ず過つ。石もて稱り丈もて量れば、徑にして失うこと寡なし。絲を簡び米を數うるは、煩わしくして察かならず。
現代語訳
大きなものを治める者は、やり方が小さくてはいけない。土地が広い者は、制度が狭くてはいけない。位が高い者は、仕事が煩雑であってはいけない。民が多い者は、教えが厳しすぎてはいけない。事が細かく砕けていれば治めにくい。法が煩雑であれば行いにくい。求めるものが多ければ満たしにくい。一寸ずつ測っていけば、一丈に達するまでに必ず狂う。一銖ずつ量っていけば、一石に達するまでに必ず誤る。石で量り丈で測れば、手早くて狂いが少ない。糸を一本ずつ選り分け米を一粒ずつ数えるのは、煩雑なわりに正確でない。
解説
「寸にして之を度れば、丈に至りて必ず差う」。細かく測るほど正確になる、という直感を裏返します。一寸ずつ積み上げれば誤差も積み上がる。大きな単位で一度に測るほうが速くて狂いも少ない。管理を細かくするほど精度が上がるとは限らない、という話として読めます。
この章句が説くこと
大を治むる者は道以て小なる可からず地広き者は制以て狭き可からず位高き者は事以て煩わしかる可からず民眾き者は教え以て苛なる可からず事砕ければ治め難きなり法煩わしければ行い難きなり寸にして之を度れば丈に至りて必ず差う銖にして之を称れば石に至りて必ず過つ糸を簡び米を数うるは煩わしくして察かならず大局
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