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淮南子 / 脩務訓

且夫身正性善,發憤而成仁,帽憑而為義,性命可說,不待學問而合於道者,堯、舜、文王也;沉湎耽荒,不可教以道,不可喻以德,嚴父弗能正,賢師不能化者,丹朱、商均也。曼頰皓齒,形誇骨佳,不待脂粉芳澤而性可說者,西施、陽文也;啳𦝢哆噅,籧蒢戚施,雖粉白黛黑弗能為美者,嫫母、仳倠也。夫上不及堯、舜,下不及商均,美不及西施,惡不若嫫母,此教訓之所諭也,而芳澤之所施。

新字:且夫身正性善,発憤而成仁,帽憑而為義,性命可説,不待学問而合於道者,堯、舜、文王也;沈湎耽荒,不可教以道,不可喻以徳,厳父弗能正,賢師不能化者,丹朱、商均也。曼頰皓齒,形誇骨佳,不待脂粉芳沢而性可説者,西施、陽文也;啳𦝢哆噅,籧蒢戚施,雖粉白黛黒弗能為美者,嫫母、仳倠也。夫上不及堯、舜,下不及商均,美不及西施,悪不若嫫母,此教訓之所諭也,而芳沢之所施。

書き下し

且つ夫れ身 正しく性 善く、憤を發して仁を成し、帽憑して義を爲し、性命 說ぶ可く、學問を待たずして道に合する者は、堯・舜・文王なり。沉湎耽荒して、教うるに道を以てす可からず、喻すに德を以てす可からず、嚴父も正す能わず、賢師も化する能わざる者は、丹朱・商均なり。曼頰皓齒、形 誇り骨 佳く、脂粉芳澤を待たずして性 說ぶ可き者は、西施・陽文なり。啳𦝢哆噅、籧蒢戚施、粉白黛黑すと雖も美を爲す能わざる者は、嫫母・仳倠なり。夫れ上は堯・舜に及ばず、下は商均に及ばず、美は西施に及ばず、惡は嫫母に若かざるは、此れ教訓の諭す所にして、芳澤の施す所なり。

現代語訳

身が正しく性が善く、憤りを発して仁を成し、意気に感じて義を行い、生まれつきのままで喜ばしく、学問を待たずして道に合う者は、堯・舜・文王である。酒色に溺れて荒み、道をもって教えられず、徳をもって諭せず、厳格な父も正せず、優れた師も変えられない者は、丹朱と商均である。頬は柔らかく歯は白く、姿は際立ち骨柄がよく、白粉や香油を待たずに生まれつきで愛でられるのは、西施と陽文である。顔立ちが歪み、背が曲がり、白粉を塗り眉を描いても美しくなれないのは、嫫母と仳倠である。上は堯・舜に及ばず、下は商均ほどでもなく、美は西施に及ばず、醜さは嫫母ほどでもない——そこが教えの諭すところであり、化粧の施しどころである。

解説

両端には手が届かない、と正直に認めています。生まれつきで道に合う堯舜と、誰にも変えられない丹朱・商均。美しさも同じで、西施と嫫母は化粧の埒外です。そのうえで「上は堯・舜に及ばず、下は商均に及ばず」——大多数が住んでいるその中間こそ、教えが効く場所だと言う。教育を万能とも無力とも言わない、この線引きが誠実です。

この章句が説くこと

身正しく性善く学問を待たずして道に合する者は堯・舜・文王なり沈湎耽荒して厳父も正す能わず賢師も化する能わざる者は丹朱・商均なり脂粉芳沢を待たずして性説ぶ可き者は西施・陽文なり粉白黛黒すと雖も美を為す能わざる者は嫫母・仳倠なり上は堯・舜に及ばず下は商均に及ばず此れ教訓の諭す所なり教育

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