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淮南子 / 說林訓

西方之裸國,鳥獸弗辟,與為一也。一膊炭熯,掇之則爛指;萬石俱熯,去之十步而不死;同氣異積也。大勇小勇,有似於此。今有六尺之席,臥而越之,下材弗難;植而踰之,上材弗易;勢施異也。百梅足以為百人酸,一梅不足以為一人和。有以飯死者而禁天下之食,有以車為敗者而禁天下之乘,則悖矣。釣者靜之,𦋯者扣舟;罩者抑之,罣者舉之;為之異,得魚一也。

新字:西方之裸国,鳥獣弗辟,与為一也。一膊炭熯,掇之則爛指;万石倶熯,去之十歩而不死;同気異積也。大勇小勇,有似於此。今有六尺之席,臥而越之,下材弗難;植而踰之,上材弗易;勢施異也。百梅足以為百人酸,一梅不足以為一人和。有以飯死者而禁天下之食,有以車為敗者而禁天下之乗,則悖矣。釣者静之,𦋯者扣舟;罩者抑之,罣者舉之;為之異,得魚一也。

書き下し

西方の裸國は、鳥獸 辟けず、與に一と爲ればなり。一膊の炭 熯えて、之を掇えば則ち指を爛らす。萬石 俱に熯ゆるも、之を去ること十步にして死せず。氣を同じくして積を異にすればなり。大勇 小勇、此れに似たる有り。今 六尺の席有り。臥して之を越ゆるは、下材も難しとせず。植てて之を踰ゆるは、上材も易しとせず。勢施の異なればなり。百梅は以て百人の酸と爲すに足るも、一梅は以て一人の和と爲すに足らず。飯を以て死する者有りて天下の食を禁じ、車を以て敗を爲す者有りて天下の乘を禁ずれば、則ち悖れり。釣る者は之を靜かにし、𦋯する者は舟を扣く。罩する者は之を抑え、罣する者は之を舉ぐ。之を爲すは異なるも、魚を得るは一なり。

現代語訳

西方の裸国では、鳥や獣が人を避けない。人と一つになっているからである。一かけらの炭が熾きているとき、それを摘まめば指がただれる。万石の炭がまとめて熾きていても、十歩離れれば死にはしない。同じ気でも、積み方が違うからである。大きな勇と小さな勇にも、これに似たところがある。ここに六尺の敷物がある。地面に寝かせたそれをまたぐのは、劣った者でも難しくない。立てて越えるとなれば、優れた者でもたやすくない。置かれ方が違うからである。百個の梅は百人分の酸味になるが、一個の梅では一人分の味付けにも足りない。飯で死んだ者がいるからと天下の食事を禁じ、車で事故を起こした者がいるからと天下の乗車を禁じるなら、道理に反する。釣る者は静かにし、網を引く者は舟べりを叩く。伏せ籠の者は上から押さえ、掛け網の者は下から持ち上げる。やり方は違っても、魚を得るのは同じである。

解説

「一膊の炭 熯えて、之を掇えば則ち指を爛らす。萬石 俱に熯ゆるも、之を去ること十步にして死せず」。同じ火でも、近くの小さな一片は指を焼き、遠くの大きな山は焼かない。量ではなく距離と置かれ方だ、という話が「臥して越える六尺の席と、立てて越える六尺の席」に続きます。同じ長さでも向きが変われば別物になる。締めは、飯で死んだ者がいるから食事を禁じるという類の禁令への批判です。

この章句が説くこと

一膊の炭熯えて之を掇えば則ち指を爛らす万石倶に熯ゆるも之を去ること十歩にして死せず気を同じくして積を異にすればなり臥して之を越ゆるは下材も難しとせず植てて之を踰ゆるは上材も易しとせず勢施の異なればなり飯を以て死する者有りて天下の食を禁ずれば則ち悖れり之を為すは異なるも魚を得るは一なり距離

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