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淮南子 / 說林訓

鳥飛反鄉,兔走歸窟,狐死首丘,寒將翔水,各哀其所生。毋貽盲者鏡,毋予躄者履,毋賞越人章甫,非其用也。椎固有柄,不能自椓;目見百步之外,不能自見其眥。狗彘不擇甂甌而食,偷肥其體而顧近其死;鳳皇高翔千仞之上,故莫之能致。月照天下,蝕於詹諸;騰蛇游霧,而殆於蝍蛆;烏力勝日,而服於鵻禮;能有修短也。莫壽於殤子,而彭祖為夭矣。短綆不可以汲深,器小不可以盛大,非其任也。怒出於不怒,為出於不為。

新字:鳥飛反鄉,兔走帰窟,狐死首丘,寒将翔水,各哀其所生。毋貽盲者鏡,毋予躄者履,毋賞越人章甫,非其用也。椎固有柄,不能自椓;目見百歩之外,不能自見其眥。狗彘不択甂甌而食,偷肥其体而顧近其死;鳳皇高翔千仞之上,故莫之能致。月照天下,蝕於詹諸;騰蛇游霧,而殆於蝍蛆;烏力勝日,而服於鵻礼;能有修短也。莫寿於殤子,而彭祖為夭矣。短綆不可以汲深,器小不可以盛大,非其任也。怒出於不怒,為出於不為。

書き下し

鳥は飛びて鄉に反り、兔は走りて窟に歸り、狐は死して丘に首し、寒將は水に翔ぶ。各々其の生ずる所を哀しむなり。盲者に鏡を貽ること毋かれ。躄者に履を予うること毋かれ。越人に章甫を賞すること毋かれ。其の用に非ざればなり。椎は固より柄有るも、自ら椓つ能わず。目は百步の外を見るも、自ら其の眥を見る能わず。狗彘は甂甌を擇ばずして食らい、偷かに其の體を肥やして顧って其の死に近づく。鳳皇は千仞の上に高翔す。故に之を致す能うもの莫し。月は天下を照らすも、詹諸に蝕まる。騰蛇は霧に游ぶも、蝍蛆に殆うくす。烏の力は日に勝つも、鵻禮に服す。能に修短有るなり。殤子より壽なるは莫くして、彭祖は夭と爲る。短綆は以て深きを汲む可からず。器 小なれば以て大を盛る可からず。其の任に非ざればなり。怒は不怒より出で、爲は不爲より出づ。

現代語訳

鳥は飛んで生まれた里に返り、兎は走って巣穴に帰り、狐は死ぬとき丘に頭を向け、寒将は水に飛ぶ。それぞれ自分の生まれたところを慕うのである。目の見えない者に鏡を贈るな。足の萎えた者に履物を与えるな。越の人に冠を与えるな。その用をなさないからである。槌には柄があるが、自分を打つことはできない。目は百歩先を見るが、自分の目尻は見えない。犬や豚は器を選ばず食い、ひそかに体を肥やして、かえって死に近づく。鳳凰は千仞の高みを飛ぶ。だから捕らえられる者はいない。月は天下を照らすが、蟇に蝕まれる。騰蛇は霧に遊ぶが、むかでに危うくされる。烏の力は日に勝つが、鵻には従う。能力には長短があるのだ。若死にした子より長命な者はなく、彭祖は早死にである。短い縄では深い井戸は汲めない。小さな器では大きなものは盛れない。その任ではないからである。怒りは怒らないところから出て、なすことはなさないところから出る。

解説

「短綆は以て深きを汲む可からず。器 小なれば以て大を盛る可からず」。届かないのは怠けているからではなく、寸法の問題です。目の見えない人に鏡、足の萎えた人に履物、冠をかぶらない越人に冠——善意でも用をなさない贈り物が並びます。槌は柄があっても自分を打てず、目は百歩先を見ても自分の目尻は見えない。月を蝕む蟇、騰蛇を危うくするむかで。強さにも必ず届かないところがある、という一段です。

この章句が説くこと

鳥は飛びて鄉に反り兔は走りて窟に帰り狐は死して丘に首す盲者に鏡を貽ること毋かれ躄者に履を予うること毋かれ其の用に非ざればなり目は百歩の外を見るも自ら其の眥を見る能わず短綆は以て深きを汲む可からず器小なれば以て大を盛る可からず其の任に非ざればなり怒は不怒より出で為は不為より出づ器量

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