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淮南子 / 說林訓

蠶食而不飲,二十二日而化;蟬飲而不食,三十日而脫;蜉蝣不食不飲,三日而死;人食礜石而死,蠶食之而不飢;魚食巴菽而死,鼠食之而肥;類不可必推。瓦以火成,不可以得火;竹以水生,不可以得水。揚堁而欲弭塵,被裘而以翣翼,豈若適衣而已哉!槁竹有火,弗鑽不燃;土中有水,弗掘無泉。蛖象之病,人之寶也;人之病,將有誰寶之者乎?為酒人之利而不酤,則竭;為車人之利而不僦,則不達。握火提人,反先之熱。鄰之母死,往哭之,妻死而不泣,有所劫以然也。

新字:蠶食而不飲,二十二日而化;蟬飲而不食,三十日而脫;蜉蝣不食不飲,三日而死;人食礜石而死,蠶食之而不飢;魚食巴菽而死,鼠食之而肥;類不可必推。瓦以火成,不可以得火;竹以水生,不可以得水。揚堁而欲弭塵,被裘而以翣翼,豈若適衣而已哉!槁竹有火,弗鑽不燃;土中有水,弗掘無泉。蛖象之病,人之宝也;人之病,将有誰宝之者乎?為酒人之利而不酤,則竭;為車人之利而不僦,則不達。握火提人,反先之熱。鄰之母死,往哭之,妻死而不泣,有所劫以然也。

書き下し

蠶は食らいて飲まず、二十二日にして化す。蟬は飲みて食らわず、三十日にして脫す。蜉蝣は食らわず飲まず、三日にして死す。人は礜石を食らいて死し、蠶は之を食らいて飢えず。魚は巴菽を食らいて死し、鼠は之を食らいて肥ゆ。類は必ずしも推す可からず。瓦は火を以て成るも、以て火を得る可からず。竹は水を以て生ずるも、以て水を得る可からず。堁を揚げて塵を弭めんと欲し、裘を被て翣もて翼ぐは、豈に衣に適するに若かんや。槁竹に火有るも、鑽らざれば燃えず。土中に水有るも、掘らざれば泉無し。蛖象の病は、人の寶なり。人の病は、將た誰か之を寶とする者有らんや。酒人の利を爲して酤らざれば、則ち竭く。車人の利を爲して僦らざれば、則ち達せず。火を握りて人に提ぐれば、反って先ず之に熱す。鄰の母 死して往きて之を哭し、妻 死して泣かざるは、劫かす所有りて然るなり。

現代語訳

蚕は食べるが飲まず、二十二日で蛹になる。蝉は飲むが食べず、三十日で脱皮する。蜉蝣は食べも飲みもせず、三日で死ぬ。人は礜石を食べれば死ぬが、蚕はそれを食べて飢えない。魚は巴豆を食べれば死ぬが、鼠はそれを食べて肥える。類は必ずしも推し量れない。瓦は火で焼き上がるが、瓦から火は取れない。竹は水で育つが、竹から水は取れない。土ぼこりを巻き上げて塵を鎮めようとし、皮衣を着たまま扇であおぐのは、着るものを季節に合わせるのに及ぶだろうか。枯れた竹に火は宿っているが、揉まなければ燃えない。土の中に水はあるが、掘らなければ泉は出ない。大蛤や象の病は、人にとっては宝である。人の病を、いったい誰が宝とするだろうか。酒屋が利を得ようとして売らなければ、店は尽きる。車屋が利を得ようとして貸さなければ、荷は届かない。火を握って人に差し出せば、先に自分の手が熱い。隣家の母が死ねば行って哭し、妻が死んでも泣かないのは、そうさせる強い力が働いているからである。

解説

「類は必ずしも推す可からず」。人が食えば死ぬ石を蚕は食って平気で、魚を殺す豆を鼠は食って肥える。同じものが相手によって毒にも糧にもなる、という一段です。「瓦は火を以て成るも、以て火を得る可からず」も同じ形で、成り立ちの元をあとから取り出せるとは限らない。中ほどの「火を握りて人に提ぐれば、反って先ず之に熱す」は、渡そうとするものが先に自分を焼く、という一行です。

この章句が説くこと

人は礜石を食らいて死し蠶は之を食らいて飢えず類は必ずしも推す可からず瓦は火を以て成るも以て火を得る可からず竹は水を以て生ずるも以て水を得る可からず槁竹に火有るも鑽らざれば燃えず土中に水有るも掘らざれば泉無し火を握りて人に提ぐれば反って先ず之に熱す個体差

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