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淮南子 / 說山訓

方車而蹠越,乘桴而入胡,欲無窮,不可得也。楚王有白蝯,王自射之,則搏矢而熙;使養由基射之,始調弓矯矢,未發而蝯擁柱號矣,有先中中者也。咼氏之璧,夏后之璜,揖讓而進之,以合歡;夜以投入,則為怨;時與不時。畫西施之面,美而不可說;規孟賁之目,大而不可畏;君形者亡焉。

新字:方車而蹠越,乗桴而入胡,欲無窮,不可得也。楚王有白蝯,王自射之,則搏矢而熙;使養由基射之,始調弓矯矢,未発而蝯擁柱号矣,有先中中者也。咼氏之璧,夏后之璜,揖譲而進之,以合歓;夜以投入,則為怨;時与不時。画西施之面,美而不可説;規孟賁之目,大而不可畏;君形者亡焉。

書き下し

車を方べて越を蹠み、桴に乘りて胡に入るは、窮まる無からんと欲するも、得可からざるなり。楚王に白蝯有り。王 自ら之を射れば、則ち矢を搏ちて熙る。養由基をして之を射しむれば、始めて弓を調え矢を矯むるに、未だ發せずして蝯 柱を擁して號べり。先んじて中つるに中つる者 有ればなり。咼氏の璧、夏后の璜も、揖讓して之を進むれば、以て歡を合す。夜 以て投げ入るれば、則ち怨と爲る。時と不時となり。西施の面を畫きて、美なれども說ぶ可からず。孟賁の目に規りて、大なれども畏る可からず。君形なる者 焉に亡ければなり。

現代語訳

車を並べて越の地を踏み、筏に乗って胡の地へ入るのは、行き詰まるまいとしても、そうはいかない。楚王が白い猿を飼っていた。王が自分で射ると、猿は矢をつかんで戯れた。養由基に射させると、弓を整え矢をまっすぐにしはじめただけで、まだ放たないうちに猿は柱に抱きついて叫んだ。放つ前にすでに当たっているものがあったのである。咼氏の璧も夏后氏の璜も、礼を尽くして差し出せば歓びを交わすことになる。夜に投げ込めば、怨みになる。時であるか時でないかである。西施の顔を描いても、美しいだけで心を動かされない。孟賁の目を写しても、大きいだけで畏れられない。かたちを司るものが、そこに欠けているからである。

解説

養由基が弓を構えただけで猿が悲鳴を上げた。「先んじて中つるに中つる者 有ればなり」。放つ前に当たっているものがある、という言い方が見事です。同じ名玉でも、礼を尽くして渡せば歓びになり、夜に投げ込めば怨みになる。中身ではなく渡し方が決める。締めが有名な一句で、美人の顔を写しても心が動かないのは「君形なる者」、かたちを司るものが写っていないからだ、と。

この章句が説くこと

楚王に白蝯有り王自ら之を射れば則ち矢を搏ちて熙る養由基をして之を射しむれば未だ発せずして蝯柱を擁して号べり先んじて中つるに中つる者有ればなり揖譲して之を進むれば以て歓を合す夜以て投げ入るれば則ち怨と為る時と不時となり西施の面を画きて美なれども説ぶ可からず君形なる者焉に亡ければなり気迫

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