淮南子 / 說山訓
楚王亡其猿,而林木為之殘;宋君亡其珠,池中魚為之殫;故澤失火而林憂。上求材,臣殘木;上求魚,臣乾谷。上求楫,而下致船;上言若絲,下言若綸。上有一善,下有二譽;上有三衰,下有九殺。大夫種知所以強越,而不知所以存身;萇弘知周之所存,而不知身所以亡;知遠而不知近。
新字:楚王亡其猿,而林木為之残;宋君亡其珠,池中魚為之殫;故沢失火而林憂。上求材,臣残木;上求魚,臣乾谷。上求楫,而下致船;上言若糸,下言若綸。上有一善,下有二誉;上有三衰,下有九殺。大夫種知所以強越,而不知所以存身;萇弘知周之所存,而不知身所以亡;知遠而不知近。
書き下し
楚王 其の猿を亡いて、林木 之が爲に殘わる。宋君 其の珠を亡いて、池中の魚 之が爲に殫く。故に澤 火を失いて林 憂う。上 材を求むれば、臣 木を殘う。上 魚を求むれば、臣 谷を乾かす。上 楫を求むれば、下 船を致す。上 言うこと絲の若くんば、下 言うこと綸の若し。上に一善有れば、下に二譽有り。上に三衰有れば、下に九殺有り。大夫種は越を強くする所以を知りて、身を存する所以を知らず。萇弘は周の存する所以を知りて、身の亡ぶる所以を知らず。遠きを知りて近きを知らざるなり。
現代語訳
楚王が飼っていた猿を逃がすと、探すために林の木が損なわれた。宋君が珠を失うと、探すために池の魚が尽きた。だから沢で火が出れば林が心配する。上が材木を求めれば、臣は木を損なう。上が魚を求めれば、臣は谷を干す。上が櫂を求めれば、下は船まで持ってくる。上の言葉が糸ほどなら、下の言葉は太い組み紐になる。上に一つ善いことがあれば、下では二つの誉れになる。上に三つの衰えがあれば、下では九つの殺しになる。大夫種は越を強くする方法を知っていて、自分の身を保つ方法を知らなかった。萇弘は周が保たれる方法を知っていて、自分が滅びる理由を知らなかった。遠くを知って近くを知らなかったのである。
解説
猿が一匹逃げただけで林が荒れ、珠を一つ失っただけで池の魚が尽きる。上の小さな損失が、下では大がかりな捜索になる。「上 言うこと絲の若くんば、下 言うこと綸の若し」。糸ほどの一言が、下では太い綱になって伝わる。増幅の倍率が具体的に書かれています。「上に三衰有れば、下に九殺有り」。
この章句が説くこと
楚王其の猿を亡いて林木之が為に残わる宋君其の珠を亡いて池中の魚之が為に殫く上材を求むれば臣木を残う上魚を求むれば臣谷を乾かす上言うこと糸の若くんば下言うこと綸の若し上に一善有れば下に二誉有り上に三衰有れば下に九殺有り増幅
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