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淮南子 / 氾論訓

夫夏后氏之璜不能無考,明月之珠不能無纇,然而天下寶之者,何也?其小惡不足妨大美也。今志人之所短,而忘人之所修,而求得其賢乎天下,則難矣。夫百里奚之飯牛,伊尹之負鼎,太公之鼓刀,甯戚之商歌,其美有存焉者矣。眾人見其位之卑賤,事之洿辱,而不知其大略,以為不肖。及其為天子三公,而立為諸侯賢相,乃始信於異眾也。

新字:夫夏后氏之璜不能無考,明月之珠不能無纇,然而天下宝之者,何也?其小悪不足妨大美也。今志人之所短,而忘人之所修,而求得其賢乎天下,則難矣。夫百里奚之飯牛,伊尹之負鼎,太公之鼓刀,甯戚之商歌,其美有存焉者矣。眾人見其位之卑賤,事之洿辱,而不知其大略,以為不肖。及其為天子三公,而立為諸侯賢相,乃始信於異眾也。

書き下し

夫れ夏后氏の璜も考無き能わず、明月の珠も纇無き能わず。然れども天下 之を寶とする者は、何ぞや。其の小惡 大美を妨ぐるに足らざればなり。今 人の短なる所を志して、人の修まる所を忘れて、賢を天下に得んことを求むるは、則ち難し。夫れ百里奚の牛に飯し、伊尹の鼎を負い、太公の刀を鼓し、甯戚の商歌するも、其の美 存する者有り。眾人 其の位の卑賤、事の洿辱なるを見て、其の大略を知らず、以て不肖と爲す。其の天子の三公と爲り、立ちて諸侯の賢相と爲るに及びて、乃ち始めて眾に異なるを信ずるなり。

現代語訳

夏后氏の玉にも傷はあり、明月の珠にも節はある。それでも天下がこれを宝とするのはなぜか。その小さな欠点が大きな美しさを妨げるに足りないからである。いま人の短所ばかりを心に留め、人の修まっているところを忘れて、それで天下に賢者を得ようとしても難しい。百里奚が牛に飼葉をやり、伊尹が鼎を背負い、太公が包丁を使い、寧戚が商の調べを歌っていたときにも、その美点はそこにあった。人々はその地位の低さ、仕事の汚れた様子を見て、大筋を知らずに、劣った者だと思った。その人が天子の三公となり、諸侯の賢い宰相として立つに至って、はじめて人と違っていたと信じたのである。

解説

名玉にも傷はある、という導入から、四人の下積みが並びます。百里奚は牛飼い、伊尹は料理人、太公は肉屋、寧戚は牛の角を叩いて歌う男。「其の美 存する者有り」。その時点ですでに美点はそこにあったのに、周囲は地位と仕事の汚れだけを見て劣った者と判断した。そして出世してから「やはり違っていた」と言う。順序が逆だ、という指摘です。

この章句が説くこと

夏后氏の璜も考無き能わず明月の珠も纇無き能わず其の小悪大美を妨ぐるに足らざればなり人の短なる所を志して人の修まる所を忘る百里奚の牛に飯し伊尹の鼎を負い太公の刀を鼓す其の美存する者有り眾人其の位の卑賤事の洿辱なるを見て其の大略を知らず下積み

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