淮南子 / 氾論訓
古者有鍪而綣領以王天下者矣,其德生而不辱,予而不奪,天下不非其服,同懷其德。當此之時,陰陽和平,風雨時節,萬物蕃息,烏鵲之巢可俯而探也,禽獸可羈而從也,豈必褒衣博帶,句襟委章甫哉!古者民澤處復穴,冬日則不勝霜雪霧露,夏日則不勝暑蟄蚊虻。聖人乃作為之築土構木,以為宮室,上棟下宇,以蔽風雨,以避寒暑,而百姓安之。
新字:古者有鍪而綣領以王天下者矣,其徳生而不辱,予而不奪,天下不非其服,同懐其徳。当此之時,陰陽和平,風雨時節,万物蕃息,烏鵲之巣可俯而探也,禽獣可羈而従也,豈必褒衣博帯,句襟委章甫哉!古者民沢処復穴,冬日則不勝霜雪霧露,夏日則不勝暑蟄蚊虻。聖人乃作為之築土構木,以為宮室,上棟下宇,以蔽風雨,以避寒暑,而百姓安之。
書き下し
古者 鍪ありて領を綣げて以て天下に王たる者有り。其の德 生じて辱めず、予えて奪わず、天下 其の服を非とせず、同じく其の德を懷けり。此の時に當たりて、陰陽 和平にして、風雨 時節あり、萬物 蕃息し、烏鵲の巢 俯して探る可く、禽獸 羈して從う可し。豈に必ずしも褒衣博帶、句襟委章甫ならんや。古者 民 澤に處り穴に復す。冬日には則ち霜雪霧露に勝えず、夏日には則ち暑蟄蚊虻に勝えず。聖人 乃ち作りて之が爲に土を築き木を構え、以て宮室と爲す。上は棟し下は宇して、以て風雨を蔽い、以て寒暑を避く。而して百姓 之に安んず。
現代語訳
いにしえには、粗末な兜をかぶり襟をまくり上げたなりで天下に王たった者がいた。その徳は生かして辱めず、与えて奪わず、天下は誰もその服装を咎めず、ともにその徳を慕った。この時代には、陰陽は和らぎ、風雨は時節に従い、万物は繁り、烏や鵲の巣は身をかがめて覗けるほどで、鳥や獣も繋いで従わせられた。どうして必ずしも大きな衣に広い帯、曲がった襟に立派な冠でなければならないだろうか。いにしえの民は沢のほとりに住み、穴に潜っていた。冬には霜や雪や霧や露に堪えられず、夏には暑さや虫や蚊やあぶに堪えられなかった。そこで聖人が土を築き木を組んで、宮室を作った。上に棟を渡し下に軒を出して、風雨を防ぎ、寒暑を避けた。それで民は落ち着いた。
解説
この章句が説くこと
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