淮南子 / 天文訓
何謂八風?距日冬至四十五日條風至,條風至四十五日明庶風至,明庶風至四十五日清明風至,清明風至四十五日景風至,景風至四十五日涼風至,涼風至四十五日閶闔風至,閶闔風至四十五日不周風至,不周風至四十五日廣莫風至。條風至則出輕繫,去稽留。明庶風至則正封疆,修田疇。清明風至則出幣帛,使諸侯。景風至則爵有位,賞有功。涼風至則報地德,祀四郊。閶闔風至則收縣垂,琴瑟不張。不周風至則修宮室,繕邊城。廣莫風至則閉關梁,決刑罰。
新字:何謂八風?距日冬至四十五日条風至,条風至四十五日明庶風至,明庶風至四十五日清明風至,清明風至四十五日景風至,景風至四十五日涼風至,涼風至四十五日閶闔風至,閶闔風至四十五日不周風至,不周風至四十五日広莫風至。条風至則出軽繋,去稽留。明庶風至則正封疆,修田疇。清明風至則出幣帛,使諸侯。景風至則爵有位,賞有功。涼風至則報地徳,祀四郊。閶闔風至則収県垂,琴瑟不張。不周風至則修宮室,繕辺城。広莫風至則閉関梁,決刑罰。
書き下し
何をか八風と謂う。日冬至を距ること四十五日にして條風至り、條風至りて四十五日にして明庶風至り、明庶風至りて四十五日にして清明風至り、清明風至りて四十五日にして景風至り、景風至りて四十五日にして涼風至り、涼風至りて四十五日にして閶闔風至り、閶闔風至りて四十五日にして不周風至り、不周風至りて四十五日にして廣莫風至る。條風至れば則ち輕繫を出だし、稽留を去る。明庶風至れば則ち封疆を正し、田疇を修む。清明風至れば則ち幣帛を出だし、諸侯を使わす。景風至れば則ち位有るを爵し、功有るを賞す。涼風至れば則ち地德に報い、四郊に祀る。閶闔風至れば則ち縣垂を收め、琴瑟張らず。不周風至れば則ち宮室を修め、邊城を繕う。廣莫風至れば則ち關梁を閉じ、刑罰を決す。
現代語訳
八風とは何か。冬至から四十五日で条風が至り、条風から四十五日で明庶風が至り、明庶風から四十五日で清明風が至り、清明風から四十五日で景風が至り、景風から四十五日で涼風が至り、涼風から四十五日で閶闔風が至り、閶闔風から四十五日で不周風が至り、不周風から四十五日で広莫風が至る。条風が至れば軽い罪の囚人を出し、滞っている案件を片づける。明庶風が至れば境界を正し、田を整える。清明風が至れば絹の贈り物を出し、諸侯へ使者を遣わす。景風が至れば位のある者に爵を与え、功のある者に賞を与える。涼風が至れば地の徳に報い、四方の郊で祀る。閶闔風が至れば吊るしてある楽器を収め、琴や瑟の弦を張らない。不周風が至れば宮室を修め、辺境の城を繕う。広莫風が至れば関所や橋を閉じ、刑罰を裁決する。
解説
この章句が説くこと
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『淮南子』時則訓孟春と孟秋とは合を為し、仲春と仲秋とは合を為し、季春と季秋とは合を為し、孟夏と孟冬とは合を為し、仲夏と仲冬とは合を為し、季夏と季冬とは合を為す。孟春は始めて贏ち、孟秋は始めて縮まる。仲春は始めて出で、仲秋は始めて內る。季春は大いに出で、季秋は大いに內る。孟夏は始めて緩く、孟冬は始めて急なり。仲夏は修きに至り、仲冬は短きに至る。季夏は德畢わり、季冬は刑畢わる。故に正月に政を失えば、七月に涼風至らず。二月に政を失えば、八月に雷藏れず。三月に政を失えば、九月に霜下らず。四月に政を失えば、十月に凍らず。五月に政を失えば、十一月に蟄蟲冬に其の鄉を出づ。六月に政を失えば、十二月に草木脫せず。七月に政を失えば、正月に大寒解けず。八月に政を失えば、二月に雷發せず。九月に政を失えば、三月に春風濟らず。十月に政を失えば、四月に草木實らず。十一月に政を失えば、五月に雹霜下る。十二月に政を失えば、六月に五穀疾狂す。春に夏令を行えば泄れ、秋令を行えば水あり、冬令を行えば肅たり。夏に春令を行えば風あり、秋令を行えば蕪れ、冬令を行えば格る。秋に夏令を行えば華さき、春令を行えば榮え、冬令を行えば耗る。冬に春令を行えば泄れ、夏令を行えば旱し、秋令を行えば霧る。
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『淮南子』天文訓兩維の間、九十一度と十六分度の五にして、升日一度を行き、十五日を一節と為し、以て二十四時の變を生ず。斗子を指せば則ち冬至、音は黃鐘に比す。十五日を加えて癸を指せば則ち小寒、音は應鐘に比す。十五日を加えて丑を指せば則ち大寒、音は無射に比す。十五日を加えて報德の維を指せば、則ち陰を越えて地に在り。故に日冬至を距ること四十六日にして立春、陽氣凍解すと曰う。音は南呂に比す。十五日を加えて寅を指せば則ち雨水、音は夷則に比す。十五日を加えて甲を指せば則ち雷驚蟄、音は林鐘に比す。十五日を加えて卯を指して繩に中たる。故に春分すれば則ち雷行くと曰う。音は蕤賓に比す。十五日を加えて乙を指せば則ち清明風至る、音は仲呂に比す。十五日を加えて辰を指せば則ち穀雨、音は姑洗に比す。十五日を加えて常羊の維を指せば、則ち春分盡く。故に四十六日有りて立夏、大風濟むと曰う。音は夾鐘に比す。十五日を加えて巳を指せば則ち小滿、音は太蔟に比す。十五日を加えて丙を指せば則ち芒種、音は大呂に比す。十五日を加えて午を指せば則ち陽氣極まる。故に四十六日有りて夏至と曰う。音は黃鐘に比す。十五日を加えて丁を指せば則ち小暑、音は大呂に比す。十五日を加えて未を指せば則ち大暑、音は太蔟に比す。十五日を加えて背陽の維を指せば則ち夏分盡く。故に四十六日有りて立秋、涼風至ると曰う。音は夾鐘に比す。十五日を加えて申を指せば則ち處暑、音は姑洗に比す。十五日を加えて庚を指せば則ち白露降る、音は仲呂に比す。十五日を加えて酉を指して繩に中たる。故に秋分に雷戒め、蟄蟲北に鄉うと曰う。音は蕤賓に比す。十五日を加えて辛を指せば則ち寒露、音は林鐘に比す。十五日を加えて戌を指せば則ち霜降、音は夷則に比す。十五日を加えて𨂜通の維を指せば、則ち秋分盡く。故に四十六日有りて立冬、草木畢く死すと曰う。音は南呂に比す。十五日を加えて亥を指せば則ち小雪、音は無射に比す。十五日を加えて壬を指せば則ち大雪、音は應鐘に比す。十五日を加えて子を指す。故に曰く、陽は子に生じ、陰は午に生ず、と。陽は子に生ず、故に十一月は日冬至、鵲始めて巢を加え、人氣首に鍾まる。陰は午に生ず、故に五月を小刑と為し、薺・麥・亭歷枯れ、冬生の草木必ず死す。
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呂氏春秋・有始⑧何をか八風と謂う。東北を炎風と曰い、東方を滔風と曰い、東南を熏風と曰い、南方を巨風と曰い、西南を淒風と曰い、西方を飂風と曰い、西北を厲風と曰い、北方を寒風と曰うなり。
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『淮南子』時則訓仲秋の月、招搖は酉を指し、昏に牽牛中し、旦に觜嶲中す。其の位は西方、其の日は庚辛、其の蟲は毛、其の音は商、律は南呂に中たり、其の數は九、其の味は辛、其の臭は腥、其の祀は門、祭には肝を先にす。涼風至り、候鴈來たり、玄鳥歸り、群鳥翔る。天子は白衣を衣、白駱に乘り、白玉を服し、白旗を建て、麻と犬とを食らい、八風の水を服し、柘を爨き火を燧り、西宮の御女は白色、白采を衣、白鐘を撞き、其の兵は戈、其の畜は犬、總章の太廟に朝す。有司に命じ、百刑を申嚴し、斬殺は必ず當たり、或いは枉撓する無からしむ。獄を決すること當たらざれば、反って其の殃を受く。是の月や、長老を養い、几杖を授け、稃鬻飲食を行う。乃ち宰祝に命じ、犧牲を行り、芻豢を案べ、肥臞全粹を視、物色を察し、比類を課べ、小大を量り、少長を視、度に中らざる莫し。天子乃ち儺し、以て秋氣を御ぐ。犬を以て麻を嘗め、先ず寢廟に薦む。是の月は以て城郭を築き、都邑を建て、竇窖を穿ち、囷倉を修む可し。乃ち有司に命じ、民に趣きて收斂畜采し、多く積聚し、宿麥を種えんことを勸め、若し或いは時を失わば、罪を行うこと疑い無からしむ。是の月や、雷乃ち始めて收まり、蟄蟲戶を培い、殺氣浸く盛んに、陽氣日に衰え、水始めて涸れ、日夜分かる。度量を一にし、權衡を平らかにし、鈞石を正し斗稱を角べ、關市を理め、商旅を來たし、貨財を入れ、以て民事を便にす。四方來たり集まり、遠方皆な至り、財物匱しからず、上に用を乏しくすること無く、百事乃ち遂ぐ。仲秋に春令を行えば、則ち秋雨降らず、草木生榮し、國に大恐有り。夏令を行えば、則ち其の國乃ち旱し、蟄蟲藏れず、五穀皆な復た生ず。冬令を行えば、則ち風災數ば起こり、收雷先だちて行き、草木蚤く死す。八月は尉を官とし、其の樹は柘なり。
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『淮南子』天文訓子午・卯酉を二繩と為し、丑寅・辰巳・未申・戌亥を四鉤と為す。東北を報德の維と為し、西南を背陽の維と為し、東南を常羊の維と為し、西北を蹏通の維と為す。日冬至なれば則ち斗北のかた繩に中たり、陰氣極まり、陽氣萌す。故に冬至を德と為すと曰う。日夏至なれば則ち斗南のかた繩に中たり、陽氣極まり、陰氣萌す。故に夏至を刑と為すと曰う。陰氣極まれば則ち北のかた北極に至り、下は黃泉に至る。故に以て地を鑿ち井を穿つ可からず。萬物閉藏し、蟄蟲穴に首す。故に德は室に在りと曰う。陽氣極まれば則ち南のかた南極に至り、上は朱天に至る。故に以て丘を夷げ屋を上す可からず。萬物蕃息し、五穀兆長す。故に德は野に在りと曰う。日冬至なれば則ち水之に從い、日夏至なれば則ち火之に從う。故に五月は火正しくして水漏り、十一月は水正しくして陰勝つ。陽氣は火と為り、陰氣は水と為る。水勝つ故に夏至溼り、火勝つ故に冬至燥く。燥く故に炭輕く、溼る故に炭重し。日冬至なれば井水盛んに、盆水溢れ、羊毛を脫し、麋角解け、鵲始めて巢くう。八尺の修、日中にして景一丈三尺。日夏至なれば流黃澤し、石精出で、蟬始めて鳴き、半夏生じ、蟁蝱駒犢を食らわず、鷙鳥黃口を搏たず。八尺の景、脩徑一尺五寸。景脩ければ則ち陰氣勝ち、景短ければ則ち陽氣勝つ。陰氣勝てば則ち水と為り、陽氣勝てば則ち旱と為る。陰陽刑德に七舍有り。何をか七舍と謂う。室・堂・庭・門・巷・術・野なり。十二月、德は室に居ること三十日、日至に先だつこと十五日、日至に後るること十五日にして徙り、居る所各ミ三十日なり。德室に在れば則ち刑は野に在り、德堂に在れば則ち刑は術に在り、德庭に在れば則ち刑は巷に在り、陰陽相い德すれば則ち刑德門を合わす。八月・二月は、陰陽の氣均しく、日夜分かれて平らかなり。故に刑德門を合わすと曰う。德南すれば則ち生じ、刑南すれば則ち殺す。故に二月に會して萬物生じ、八月に會して草木死すと曰う。
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『淮南子』天文訓人主の情は、上は天に通ず。故に暴を誅すれば則ち飄風多く、法令を枉ぐれば則ち蟲螟多く、不辜を殺せば則ち國赤地となり、令收まらざれば則ち淫雨多し。四時なる者は、天の吏なり。日月なる者は、天の使なり。星辰なる者は、天の期なり。虹蜺彗星なる者は、天の忌なり。天に九野、九千九百九十九隅有り、地を去ること五億萬里、五星、八風、二十八宿、五官、六府、紫宮、太微、軒轅、咸池、四守、天阿あり。何をか九野と謂う。中央を鈞天と曰い、其の星は角・亢・氐。東方を蒼天と曰い、其の星は房・心・尾。東北を變天と曰い、其の星は箕・斗・牽牛。北方を玄天と曰い、其の星は須女・虛・危・營室。西北方を幽天と曰い、其の星は東壁・奎・婁。西方を顥天と曰い、其の星は胃・昴・畢。西南方を朱天と曰い、其の星は觜嶲・參・東井。南方を炎天と曰い、其の星は輿鬼・柳・七星。東南方を陽天と曰い、其の星は張・翼・軫。