淮南子 / 天文訓
兩維之間,九十一度十六分度之五,而升日行一度,十五日為一節,以生二十四時之變。斗指子則冬至,音比黃鐘;加十五日指癸則小寒,音比應鐘;加十五日指丑則大寒,音比無射;加十五日指報德之維,則越陰在地,故曰距日冬至四十六日而立春,陽氣凍解,音比南呂;加十五日指寅則雨水,音比夷則;加十五日指甲則雷驚蟄,音比林鐘;加十五日指卯中繩,故曰春分則雷行,音比蕤賓;加十五日指乙則清明風至,音比仲呂;加十五日指辰則穀雨,音比姑洗;加十五日指常羊之維,則春分盡,故曰有四十六日而立夏,大風濟,音比夾鐘;加十五日指巳則小滿,音比太蔟;加十五日指丙則芒種,音比大呂;加十五日指午則陽氣極,故曰有四十六日而夏至,音比黃鐘;加十五日指丁則小暑,音比大呂;加十五日指未則大暑,音比太蔟;加十五日指背陽之維則夏分盡,故曰有四十六日而立秋,涼風至,音比夾鐘;加十五日指申則處暑,音比姑洗;加十五日指庚則白露降,音比仲呂;加十五日指酉中繩,故曰秋分雷戒,蟄蟲北鄉,音比蕤賓;加十五日指辛則寒露,音比林鐘;加十五日指戌則霜降,音比夷則;加十五日指𨂜通之維,則秋分盡,故曰有四十六日而立冬,草木畢死,音比南呂;加十五日指亥則小雪,音比無射;加十五日指壬則大雪,音比應鐘;加十五日指子。故曰:陽生於子,陰生於午。陽生於子,故十一月日冬至,鵲始加巢,人氣鍾首。陰生於午,故五月為小刑,薺麥亭歷枯,冬生草木必死。
新字:両維之間,九十一度十六分度之五,而升日行一度,十五日為一節,以生二十四時之変。斗指子則冬至,音比黄鐘;加十五日指癸則小寒,音比応鐘;加十五日指丑則大寒,音比無射;加十五日指報徳之維,則越陰在地,故曰距日冬至四十六日而立春,陽気凍解,音比南呂;加十五日指寅則雨水,音比夷則;加十五日指甲則雷驚蟄,音比林鐘;加十五日指卯中縄,故曰春分則雷行,音比蕤賓;加十五日指乙則清明風至,音比仲呂;加十五日指辰則穀雨,音比姑洗;加十五日指常羊之維,則春分尽,故曰有四十六日而立夏,大風済,音比夾鐘;加十五日指巳則小満,音比太蔟;加十五日指丙則芒種,音比大呂;加十五日指午則陽気極,故曰有四十六日而夏至,音比黄鐘;加十五日指丁則小暑,音比大呂;加十五日指未則大暑,音比太蔟;加十五日指背陽之維則夏分尽,故曰有四十六日而立秋,涼風至,音比夾鐘;加十五日指申則処暑,音比姑洗;加十五日指庚則白露降,音比仲呂;加十五日指酉中縄,故曰秋分雷戒,蟄虫北鄉,音比蕤賓;加十五日指辛則寒露,音比林鐘;加十五日指戌則霜降,音比夷則;加十五日指𨂜通之維,則秋分尽,故曰有四十六日而立冬,草木畢死,音比南呂;加十五日指亥則小雪,音比無射;加十五日指壬則大雪,音比応鐘;加十五日指子。故曰:陽生於子,陰生於午。陽生於子,故十一月日冬至,鵲始加巣,人気鍾首。陰生於午,故五月為小刑,薺麦亭歴枯,冬生草木必死。
書き下し
兩維の間、九十一度と十六分度の五にして、升日一度を行き、十五日を一節と為し、以て二十四時の變を生ず。斗子を指せば則ち冬至、音は黃鐘に比す。十五日を加えて癸を指せば則ち小寒、音は應鐘に比す。十五日を加えて丑を指せば則ち大寒、音は無射に比す。十五日を加えて報德の維を指せば、則ち陰を越えて地に在り。故に日冬至を距ること四十六日にして立春、陽氣凍解すと曰う。音は南呂に比す。十五日を加えて寅を指せば則ち雨水、音は夷則に比す。十五日を加えて甲を指せば則ち雷驚蟄、音は林鐘に比す。十五日を加えて卯を指して繩に中たる。故に春分すれば則ち雷行くと曰う。音は蕤賓に比す。十五日を加えて乙を指せば則ち清明風至る、音は仲呂に比す。十五日を加えて辰を指せば則ち穀雨、音は姑洗に比す。十五日を加えて常羊の維を指せば、則ち春分盡く。故に四十六日有りて立夏、大風濟むと曰う。音は夾鐘に比す。十五日を加えて巳を指せば則ち小滿、音は太蔟に比す。十五日を加えて丙を指せば則ち芒種、音は大呂に比す。十五日を加えて午を指せば則ち陽氣極まる。故に四十六日有りて夏至と曰う。音は黃鐘に比す。十五日を加えて丁を指せば則ち小暑、音は大呂に比す。十五日を加えて未を指せば則ち大暑、音は太蔟に比す。十五日を加えて背陽の維を指せば則ち夏分盡く。故に四十六日有りて立秋、涼風至ると曰う。音は夾鐘に比す。十五日を加えて申を指せば則ち處暑、音は姑洗に比す。十五日を加えて庚を指せば則ち白露降る、音は仲呂に比す。十五日を加えて酉を指して繩に中たる。故に秋分に雷戒め、蟄蟲北に鄉うと曰う。音は蕤賓に比す。十五日を加えて辛を指せば則ち寒露、音は林鐘に比す。十五日を加えて戌を指せば則ち霜降、音は夷則に比す。十五日を加えて𨂜通の維を指せば、則ち秋分盡く。故に四十六日有りて立冬、草木畢く死すと曰う。音は南呂に比す。十五日を加えて亥を指せば則ち小雪、音は無射に比す。十五日を加えて壬を指せば則ち大雪、音は應鐘に比す。十五日を加えて子を指す。故に曰く、陽は子に生じ、陰は午に生ず、と。陽は子に生ず、故に十一月は日冬至、鵲始めて巢を加え、人氣首に鍾まる。陰は午に生ず、故に五月を小刑と為し、薺・麥・亭歷枯れ、冬生の草木必ず死す。
現代語訳
二つの維のあいだは九十一度と十六分の五度で、日は一度ずつ進み、十五日を一節として、二十四の時の変化を生む。北斗が子を指せば冬至、音は黄鐘に比する。十五日を加えて癸を指せば小寒、音は応鐘。十五日を加えて丑を指せば大寒、音は無射。十五日を加えて報徳の維を指せば、陰を越えて地にある。だから冬至から四十六日で立春、陽の気が凍りを解く、という。音は南呂。十五日を加えて寅を指せば雨水、音は夷則。十五日を加えて甲を指せば雷が虫を驚かす啓蟄、音は林鐘。十五日を加えて卯を指して縄に当たる。だから春分になれば雷が行く、という。音は蕤賓。十五日を加えて乙を指せば清明の風が至る、音は仲呂。十五日を加えて辰を指せば穀雨、音は姑洗。十五日を加えて常羊の維を指せば、春の分が尽きる。だから四十六日で立夏、大風がやむ、という。音は夾鐘。十五日を加えて巳を指せば小満、音は太蔟。十五日を加えて丙を指せば芒種、音は大呂。十五日を加えて午を指せば陽の気が極まる。だから四十六日で夏至、という。音は黄鐘。十五日を加えて丁を指せば小暑、音は大呂。十五日を加えて未を指せば大暑、音は太蔟。十五日を加えて背陽の維を指せば夏の分が尽きる。だから四十六日で立秋、涼しい風が至る、という。音は夾鐘。十五日を加えて申を指せば処暑、音は姑洗。十五日を加えて庚を指せば白露が降りる、音は仲呂。十五日を加えて酉を指して縄に当たる。だから秋分に雷が慎み、冬ごもりの虫が北を向く、という。音は蕤賓。十五日を加えて辛を指せば寒露、音は林鐘。十五日を加えて戌を指せば霜降、音は夷則。十五日を加えて蹏通の維を指せば、秋の分が尽きる。だから四十六日で立冬、草木がことごとく死ぬ、という。音は南呂。十五日を加えて亥を指せば小雪、音は無射。十五日を加えて壬を指せば大雪、音は応鐘。十五日を加えて子を指す。だから「陽は子に生じ、陰は午に生ずる」という。陽は子に生じる、だから十一月は冬至で、鵲が巣を作り足し、人の気は頭に集まる。陰は午に生じる、だから五月を小さな刑とし、薺や麦や亭歴が枯れ、冬に生える草木は必ず死ぬ。
解説
この章句が説くこと
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『淮南子』天文訓夏日至れば則ち陰陽に乘ず。是を以て萬物就きて死す。冬日至れば則ち陽陰に乘ず。是を以て萬物仰ぎて生ず。晝なる者は陽の分、夜なる者は陰の分なり。是を以て陽氣勝てば則ち日修くして夜短く、陰氣勝てば則ち日短くして夜修し。帝四維を張り、之を運らすに斗を以てす。月ごとに一辰を徙り、復た其の所に反る。正月は寅を指し、十二月は丑を指し、一歲にして匝り、終わりて復た始まる。寅を指せば、則ち萬物螾螾たるなり、律は太蔟を受く。太蔟なる者は、蔟りて未だ出でざるなり。卯を指せば、卯は則ち茂茂然たり、律は夾鐘を受く。夾鐘なる者は、種始めて莢するなり。辰を指せば、辰は則ち之を振るうなり、律は姑洗を受く。姑洗なる者は、陳きもの去りて新しきもの來たるなり。巳を指せば、巳は則ち生已に定まるなり、律は仲呂を受く。仲呂なる者は、中充ちて大なるなり。午を指せば、午なる者は、忤なり、律は蕤賓を受く。蕤賓なる者は、安んじて服するなり。未を指せば、未は、昧なり、律は林鐘を受く。林鐘なる者は、引きて止むるなり。申を指せば、申なる者は、之を呻くなり、律は夷則を受く。夷則なる者は、其の則を易うるなり、德以て去るなり。酉を指せば、酉なる者は、飽なり、律は南呂を受く。南呂なる者は、任じて大を包むなり。戌を指せば、戌なる者は、滅なり、律は無射を受く。無射は、入りて厭く無きなり。亥を指せば、亥なる者は、閡なり、律は應鐘を受く。應鐘なる者は、其の鐘に應ずるなり。子を指せば、子なる者は、茲なり、律は黃鐘を受く。黃鐘なる者は、鐘已に黃なるなり。丑を指せば、丑なる者は、紐なり、律は大呂を受く。大呂なる者は、旅旅として去るなり。其の卯酉に加うれば、則ち陰陽分かれ、日夜平らかなり。故に曰く、規は生じ矩は殺し、衡は長じ權は藏し、繩は中央に居りて、四時の根と為る、と。
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『淮南子』天文訓子午・卯酉を二繩と為し、丑寅・辰巳・未申・戌亥を四鉤と為す。東北を報德の維と為し、西南を背陽の維と為し、東南を常羊の維と為し、西北を蹏通の維と為す。日冬至なれば則ち斗北のかた繩に中たり、陰氣極まり、陽氣萌す。故に冬至を德と為すと曰う。日夏至なれば則ち斗南のかた繩に中たり、陽氣極まり、陰氣萌す。故に夏至を刑と為すと曰う。陰氣極まれば則ち北のかた北極に至り、下は黃泉に至る。故に以て地を鑿ち井を穿つ可からず。萬物閉藏し、蟄蟲穴に首す。故に德は室に在りと曰う。陽氣極まれば則ち南のかた南極に至り、上は朱天に至る。故に以て丘を夷げ屋を上す可からず。萬物蕃息し、五穀兆長す。故に德は野に在りと曰う。日冬至なれば則ち水之に從い、日夏至なれば則ち火之に從う。故に五月は火正しくして水漏り、十一月は水正しくして陰勝つ。陽氣は火と為り、陰氣は水と為る。水勝つ故に夏至溼り、火勝つ故に冬至燥く。燥く故に炭輕く、溼る故に炭重し。日冬至なれば井水盛んに、盆水溢れ、羊毛を脫し、麋角解け、鵲始めて巢くう。八尺の修、日中にして景一丈三尺。日夏至なれば流黃澤し、石精出で、蟬始めて鳴き、半夏生じ、蟁蝱駒犢を食らわず、鷙鳥黃口を搏たず。八尺の景、脩徑一尺五寸。景脩ければ則ち陰氣勝ち、景短ければ則ち陽氣勝つ。陰氣勝てば則ち水と為り、陽氣勝てば則ち旱と為る。陰陽刑德に七舍有り。何をか七舍と謂う。室・堂・庭・門・巷・術・野なり。十二月、德は室に居ること三十日、日至に先だつこと十五日、日至に後るること十五日にして徙り、居る所各ミ三十日なり。德室に在れば則ち刑は野に在り、德堂に在れば則ち刑は術に在り、德庭に在れば則ち刑は巷に在り、陰陽相い德すれば則ち刑德門を合わす。八月・二月は、陰陽の氣均しく、日夜分かれて平らかなり。故に刑德門を合わすと曰う。德南すれば則ち生じ、刑南すれば則ち殺す。故に二月に會して萬物生じ、八月に會して草木死すと曰う。
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『淮南子』天文訓斗杓を小歲と為し、正月寅に建ち、月ごとに左に從いて十二辰を行く。咸池を太歲と為し、二月卯に建ち、月ごとに右に從いて四仲を行き、終わりて復た始まる。太歲は迎うる者は辱められ、背く者は強く、左する者は衰え、右する者は昌んなり。小歲は東南すれば則ち生じ、西北すれば則ち殺す。迎う可からずして背く可きなり、左す可からずして右す可きなり。其れ此の謂いなり。大時なる者は、咸池なり。小時なる者は、月建なり。天維元を建つるは、常に寅を以て始起し、右に徙りて一歲にして移り、十二歲にして大いに天を周り、終わりて復た始まる。淮南元年の冬、太一は丙子に在り、冬至は甲午、立春は丙子なり。二陰一陽は氣二を成し、二陽一陰は氣三を成す。氣を合わせて音と為し、陰を合わせて陽と為し、陽を合わせて律と為す。故に五音六律と曰う。音は自ら倍して日と為り、律は自ら倍して辰と為る。故に日は十にして辰は十二なり。月は日に十三度と七十六分度の二十六を行き、二十九日と九百四十分日の四百九十九にして月と為し、十二月を以て歲と為す。歲に餘り十日と九百四十分日の八百二十七有り。故に十九歲にして七たび閏す。日は冬至に子午、夏至に卯酉。冬至に三日を加うれば、則ち夏至の日なり。歲ごとに六日を遷し、終わりて復た始まる。
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『淮南子』時則訓孟春と孟秋とは合を為し、仲春と仲秋とは合を為し、季春と季秋とは合を為し、孟夏と孟冬とは合を為し、仲夏と仲冬とは合を為し、季夏と季冬とは合を為す。孟春は始めて贏ち、孟秋は始めて縮まる。仲春は始めて出で、仲秋は始めて內る。季春は大いに出で、季秋は大いに內る。孟夏は始めて緩く、孟冬は始めて急なり。仲夏は修きに至り、仲冬は短きに至る。季夏は德畢わり、季冬は刑畢わる。故に正月に政を失えば、七月に涼風至らず。二月に政を失えば、八月に雷藏れず。三月に政を失えば、九月に霜下らず。四月に政を失えば、十月に凍らず。五月に政を失えば、十一月に蟄蟲冬に其の鄉を出づ。六月に政を失えば、十二月に草木脫せず。七月に政を失えば、正月に大寒解けず。八月に政を失えば、二月に雷發せず。九月に政を失えば、三月に春風濟らず。十月に政を失えば、四月に草木實らず。十一月に政を失えば、五月に雹霜下る。十二月に政を失えば、六月に五穀疾狂す。春に夏令を行えば泄れ、秋令を行えば水あり、冬令を行えば肅たり。夏に春令を行えば風あり、秋令を行えば蕪れ、冬令を行えば格る。秋に夏令を行えば華さき、春令を行えば榮え、冬令を行えば耗る。冬に春令を行えば泄れ、夏令を行えば旱し、秋令を行えば霧る。
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