淮南子 / 天文訓
人主之情,上通于天,故誅暴則多飄風,枉法令則多蟲螟,殺不辜則國赤地,令不收則多淫雨。四時者,天之吏也;日月者,天之使也;星辰者,天之期也;虹蜺彗星者,天之忌也。天有九野,九千九百九十九隅,去地五億萬里,五星,八風,二十八宿,五官,六府,紫宮,太微,軒轅,咸池,四守,天阿。何謂九野?中央曰鈞天,其星角、亢、氐。東方曰蒼天,其星房、心、尾。東北曰變天,其星箕、斗、牽牛。北方曰玄天,其星須女、虛、危、營室。西北方曰幽天,其星東壁、奎、婁。西方曰顥天,其星胃、昴、畢。西南方曰朱天,其星觜嶲、參、東井。南方曰炎天,其星輿鬼、柳、七星。東南方曰陽天,其星張、翼、軫。
新字:人主之情,上通于天,故誅暴則多飄風,枉法令則多虫螟,殺不辜則国赤地,令不収則多淫雨。四時者,天之吏也;日月者,天之使也;星辰者,天之期也;虹蜺彗星者,天之忌也。天有九野,九千九百九十九隅,去地五億万里,五星,八風,二十八宿,五官,六府,紫宮,太微,軒轅,咸池,四守,天阿。何謂九野?中央曰鈞天,其星角、亢、氐。東方曰蒼天,其星房、心、尾。東北曰変天,其星箕、斗、牽牛。北方曰玄天,其星須女、虚、危、営室。西北方曰幽天,其星東壁、奎、婁。西方曰顥天,其星胃、昴、畢。西南方曰朱天,其星觜嶲、参、東井。南方曰炎天,其星輿鬼、柳、七星。東南方曰陽天,其星張、翼、軫。
書き下し
人主の情は、上は天に通ず。故に暴を誅すれば則ち飄風多く、法令を枉ぐれば則ち蟲螟多く、不辜を殺せば則ち國赤地となり、令收まらざれば則ち淫雨多し。四時なる者は、天の吏なり。日月なる者は、天の使なり。星辰なる者は、天の期なり。虹蜺彗星なる者は、天の忌なり。天に九野、九千九百九十九隅有り、地を去ること五億萬里、五星、八風、二十八宿、五官、六府、紫宮、太微、軒轅、咸池、四守、天阿あり。何をか九野と謂う。中央を鈞天と曰い、其の星は角・亢・氐。東方を蒼天と曰い、其の星は房・心・尾。東北を變天と曰い、其の星は箕・斗・牽牛。北方を玄天と曰い、其の星は須女・虛・危・營室。西北方を幽天と曰い、其の星は東壁・奎・婁。西方を顥天と曰い、其の星は胃・昴・畢。西南方を朱天と曰い、其の星は觜嶲・參・東井。南方を炎天と曰い、其の星は輿鬼・柳・七星。東南方を陽天と曰い、其の星は張・翼・軫。
現代語訳
君主の心のありようは、上は天に通じる。だから暴虐な者を誅すればつむじ風が多くなり、法令を曲げれば害虫が多くなり、罪のない者を殺せば国は草木の枯れた赤い地となり、命令が行き渡らなければ長雨が多くなる。四季は天の役人である。日月は天の使者である。星は天の期日である。虹や彗星は天の忌みである。天には九つの野、九千九百九十九の隅があり、地からの隔たりは五億万里、五つの星、八つの風、二十八宿、五官、六府、紫宮、太微、軒轅、咸池、四守、天阿がある。九野とは何か。中央を鈞天といい、その星は角・亢・氐。東方を蒼天といい、その星は房・心・尾。東北を変天といい、その星は箕・斗・牽牛。北方を玄天といい、その星は須女・虚・危・営室。西北方を幽天といい、その星は東壁・奎・婁。西方を顥天といい、その星は胃・昴・畢。西南方を朱天といい、その星は觜嶲・参・東井。南方を炎天といい、その星は輿鬼・柳・七星。東南方を陽天といい、その星は張・翼・軫。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
呂氏春秋・有始③何をか九野と謂う。中央を鈞天と曰う、其の星は角・亢・氐。東方を蒼天と曰う、其の星は房・心・尾。東北を變天と曰う、其の星は箕・斗・牽牛。北方を玄天と曰う、其の星は婺女・虚・危・營室。西北を幽天と曰う、其の星は東壁・奎・婁。西方を顥天と曰う、其の星は胃・昴・畢。西南を朱天と曰う、其の星は觜嶲・參・東井。南方を炎天と曰う、其の星は輿鬼・柳・七星。東南を陽天と曰う、其の星は張・翼・軫。
-
『淮南子』天文訓凡そ太陰を用うるには、左に刑を前にし、右に德を背にし、鉤陳の衝辰を擊つ。以て戰えば必ず勝ち、以て攻むれば必ず剋つ。天道を知らんと欲せば、日を以て主と爲し、六月心に當たり、左に周りて行き、分かちて十二月と爲し、日と相い當たる。天地重襲すれば、後に必ず殃無し。星は正月に營室に建ち、二月に奎・婁に建ち、三月に胃に建ち、四月に畢に建ち、五月に東井に建ち、六月に張に建ち、七月に翼に建ち、八月に亢に建ち、九月に房に建ち、十月に尾に建ち、十一月に牽牛に建ち、十二月に虚に建つ。星の分度は、角十二、亢九、氐十五、房五、心五、尾十八、箕十一と四分の一、斗二十六、牽牛八、須女十二、虚十、危十七、營室十六、東壁九、奎十六、婁十二、胃十四、昴十一、畢十六、觜雟二、參九、東井三十、輿鬼四、柳十五、星七、張・翼各ミ十八、軫十七。凡そ二十八宿なり。
-
『淮南子』天文訓何をか五官と謂う。東方を田と為し、南方を司馬と為し、西方を理と為し、北方を司空と為し、中央を都と為す。何をか六府と謂う。子午、丑未、寅申、卯酉、辰戌、巳亥是れなり。太微なる者は、太一の庭なり。紫宮なる者は、太一の居なり。軒轅なる者は、帝妃の舍なり。咸池なる者は、水魚の囿なり。天阿なる者は、群神の闕なり。四宮なる者は、賞罰を司ると為す所以なり。太微なる者は朱雀を主る。紫宮は斗を執りて左旋し、日に一度を行き、以て天に周る。日は冬至に峻狼の山にあり、日ごとに一度を移し、凡そ百八十二度と八分度の五を行きて、夏至に牛首の山にあり。反覆すること三百六十五度と四分度の一にして一歲を成す。天一の元始、正月寅に建ち、日月俱に營室五度に入る。天一以て始建して七十六歳、日月復た正月を以て營室五度に入り、餘分無し。名づけて一紀と曰う。凡そ二十紀、一千五百二十歳にして大いに終わり、日月星辰復た甲寅の元に始まる。日に一度を行きて、歲に奇の四分度の一有り。故に四歳にして千四百六十一日を積みて復た故の舍に合し、八十歳にして故の日に復す。
-
『淮南子』天文訓天地以て設けられ、分かれて陰陽と爲る。陽は陰に生じ、陰は陽に生ず。陰陽相い錯わりて、四維乃ち通じ、或いは死し或いは生じ、萬物乃ち成る。蚑行喙息、人より貴きは莫し。孔竅肢體、皆な天に通ず。天に九重有り、人にも亦た九竅有り。天に四時有り、以て十二月を制す。人にも亦た四肢有り、以て十二節を使う。天に十二月有り、以て三百六十日を制す。人にも亦た十二肢有り、以て三百六十節を使う。故に事を舉げて天に順わざる者は、其の生を逆らう者なり。日冬至を以て來歲の正月朔日を數え、五十日なる者は、民の食足る。五十日に滿たざれば、日に一斗を減じ、餘る日有れば、日に一升を益す。其の歲司有るなり。
-
『淮南子』天文訓太陰四仲に在れば、則ち歲星三宿を行く。太陰四鉤に在れば、則ち歲星二宿を行く。二八十六、三四十二、故に十二歳にして二十八宿を行く。日に十二分度の一を行き、歲に三十度と十六分度の七を行き、十二歳にして周る。熒惑は常に十月を以て太微に入り、制を受けて出でて宿を列ね行き、無道の國を司り、亂を為し賊を為し、疾を為し喪を為し、饑を為し兵を為す。出入常無く、其の色を辯變し、時に見れ時に匿る。鎮星は甲寅の元を以て始めて斗に建ち、歲に一宿を鎮行す。當に居るべくして居らざれば、其の國土を亡う。未だ當に居るべからずして之に居れば、其の國地を益し、歲熟す。日に二十八分度の一を行き、歲に十三度と百一十二分度の五を行き、二十八歳にして周る。太白は元始正月を以て寅に建ち、熒惑と晨に東方に出で、二百四十日にして入り、入りて百二十日にして夕べに西方に出で、二百四十日にして入り、入りて三十五日にして復た東方に出づ。出づるに辰戌を以てし、入るに丑未を以てす。當に出づべくして出でず、未だ當に入るべからずして入れば、天下兵を偃す。當に入るべくして入らず、當に出づべくして出でざれば、天下兵を興す。辰星は四時を正す。常に二月春分を以て奎・婁に效し、五月夏至を以て東井・輿鬼に效し、八月秋分を以て角・亢に效し、十一月冬至を以て斗・牽牛に效す。出づるに辰戌を以てし、入るに丑未を以てす。出でて二旬にして入る。晨には之を東方に候い、夕べには之を西方に候う。一時出でざれば、其の時和せず。四時出でざれば、天下大いに飢う。
-
『淮南子』天文訓星部の地名は、角・亢は鄭、氐・房・心は宋、尾・箕は燕、斗・牽牛は越、須女は吳、虚・危は齊、營室・東壁は衛、奎・婁は魯、胃・昴・畢は魏、觜雟・參は趙、東井・輿鬼は秦、柳・七星・張は周、翼・軫は楚なり。歲星の居る所は、五穀豐昌なり。其の對を衝と爲し、歲乃ち殃有り。當に居るべくして居らず、越えて他處に之けば、主死し國亡ぶ。太陰春を治むれば則ち柔惠温涼を行わんことを欲し、太陰夏を治むれば則ち布施宣明ならんことを欲し、太陰秋を治むれば則ち脩備繕兵ならんことを欲し、太陰冬を治むれば則ち猛毅剛彊ならんことを欲す。三歲にして節を改め、六歲にして常を易う。故に三歲にして一たび饑え、六歲にして一たび衰え、十二歲にして一たび康し。