弟子規 / 謹・緩揭簾
緩揭簾、勿有聲、寬轉彎、勿觸棱 執虛器、如執盈、入虛室、如有人
新字:緩掲簾、勿有声、寛転彎、勿触棱 執虚器、如執盈、入虚室、如有人
書き下し
緩やかに簾を掲げ、声有る勿かれ。寛やかに転じ曲がり、棱に触るる勿かれ。 虚器を執ること盈つるを執るが如く、虚室に入ること人有るが如くせよ。
現代語訳
簾をあげるときはゆっくりと、音を立ててはいけません。角を曲がるときは大きく回り、物の角にぶつからないようにしなさい。 空の器を持つときも、中身が満ちているかのように持ち、無人の部屋に入るときも、人がいるかのように振る舞いなさい。
解説
音を立てず、ぶつからず、空の器も満ちたもののように扱う。後半の二句は、人が見ていなくても気を抜かない、という慎みの教えです。「虚室に入ること人有るが如く」は、誰もいない場でも振る舞いを変えない、慎独の心に通じます。『礼記』曲礼にも近い言い回しがあります。仕事の質は、見られていない場面の丁寧さに表れます。空の器と同じ集中で、まだ動き出していない案件や、誰も確認しない裏方の作業に向き合えるか。見ている人がいないときの所作が、その人の信用を、静かに決めていきます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
緩勿有声執虚器入虚室慎み慎独
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