弟子規 / 入則孝・冬則温
冬則温、夏則凊、晨則省、昏則定 出必告、反必面、居有常、業無變
新字:冬則温、夏則凊、晨則省、昏則定 出必告、反必面、居有常、業無変
書き下し
冬は則ち温め、夏は則ち凊くし、晨には則ち省し、昏には則ち定む。 出づるときは必ず告げ、反るときは必ず面え、居るに常有り、業を変ずること無し。
現代語訳
冬は親が暖かく過ごせるようにし、夏は涼しく過ごせるようにしなさい。朝には様子をうかがい、夜には寝床を整えて安らかに休ませなさい。 外出するときは必ず行き先を告げ、帰ったら必ず顔を見せなさい。住まいはいつも決まった所にして、仕事や学びを勝手に変えてはいけません。
解説
前半は、『礼記』曲礼にも似た言い回しがある、親の暮らしを気づかう定番の務めです。後半は出入りの報告で、行き先を告げ、戻れば顔を見せるという、安否を知らせる約束事を説きます。親に心配をかけないための工夫を、細かな日課に落としているのが特徴です。成立当時の家族観を背景にした条ですが、報告と連絡の習慣として読み替えられます。職場でも、出かける前に行き先を共有し、戻ったら一言伝えるだけで、周囲は安心して動けます。小さな共有が、信頼の貯金になります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
冬温夏凊晨省昏定出必告反必面居有常報告
関連する章句
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礼記・曲礼上凡そ人の子為(た)るの礼は、冬は温かにして夏は凊(すず)しくし、昏(くれ)に定めて晨(あした)に省(かえり)み、醜夷(しゅうい)に在りて争わず。 夫れ人の子為る者は、三賜も車馬に及ばず。故に州閭(しゅうりょ)郷党は其の孝を称し、兄弟親戚は其の慈を称し、僚友は其の弟(てい)を称し、執友は其の仁を称し、交遊は其の信を称す。父の執(しつ)を見ては、これを進めと謂わざれば、敢えて進まず。これを退けと謂わざれば、敢えて退かず。問わざれば、敢えて対えず。此れ孝子の行いなり。
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弟子規・入則孝・父母呼父母呼ばば、応ずること緩やかなる勿かれ。父母命ぜば、行くこと懶き勿かれ。 父母教えば、須く敬して聴くべし。父母責めば、須く順いて承くべし。
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弟子規・入則孝・親所好親の好む所は、力めて為に具え、親の悪む所は、謹んで為に去れ。 身に傷有れば、親に憂いを貽し、徳に傷有れば、親に羞を貽す。
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弟子規・入則孝・親愛我親我を愛せば、孝何ぞ難からん。親我を憎めば、孝方に賢なり。 親に過ち有らば、諫めて更めしめ、吾が色を怡ばしめ、吾が声を柔らげよ。 諫め入れられざれば、悦ばしめて復た諫め、号泣して随い、撻つとも怨むこと無かれ。
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『家道訓』巻之一・総論上一父母につかへて常に力を尽し、時々の見まひ、膝下のつかへおこたらず、古語に、夕にさだめて朝にかへりみるといへるがごとくすべし。ひまなき人も、朝夕の間、時々つとめて父母の前に侍りつかふべし。つねに養をかへりみ、飲食の味よくして、みづから寒温の節をこころみてすすめ、冬は父母をあたたかにし、夏は涼しくすべし。外に出づれば、必ず父母に対面し、内にかへれば、必ず父母をかへりみる。父母に対しては、顔色を温和にして言をあらくすべからず。父母の心をよろこばしめ、父母の身を養ふ、二のつとめ闕くべからず。是皆人の子たる者の定りたる法なり。此の法にそむくべからず。父母の事をつねに思ひ慕ひて、心にかけてわすれざるを孝とす。兄弟にむつまじく、夫婦和して別あり、妻をみちびくに礼を以てし、子弟ををしへいましめて愛を過さず、彼是につきて愛憎の私なく、子弟をみちびき礼をつとめ、書をよみ芸をならふに、おこたりなからしむべし。凡子弟の教は、必ず厳正なるべし。
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弟子規・出則弟・尊長前尊長の前では、声は低きを要す。低くして聞こえざるは、却って宜しきに非ず。 進むには必ず趨り、退くには必ず遅く、問い起てば対え、視を移す勿かれ。 諸父に事うること父に事うるが如く、諸兄に事うること兄に事うるが如くせよ。