長短経 / 奇兵
是知竒正者、兵之要也。《經》曰、“戰勝不過竒正。竒正之變、不可勝窮、如環之無端、孰能窮之?”此之謂矣
新字:是知奇正者、兵之要也。《経》曰、“戦勝不過奇正。奇正之変、不可勝窮、如環之無端、孰能窮之?”此之謂矣
書き下し
是に知る、奇正なる者は、兵の要なり。経に曰く「戦勝は奇正に過ぎず。奇正の変は、勝げて窮むべからず。環の端無きが如し。孰か能く之を窮めん」と。此の謂いなり。
現代語訳
だから、奇と正は兵の要であるとわかる。兵法書に「戦いに勝つ方法は奇と正の二つを出ない。しかし奇と正の組み合わせの変化は、窮め尽くすことができない。輪に端がないようなものだ。誰がそれを窮められようか」とある。このことである。
解説
奇兵の篇は、奇と正は兵の要だと結びます。勝ち方は、正攻法と奇策の二つしかない。しかしその組み合わせは、輪に終わりがないように無限に変化する。正攻法だと思わせて奇策を使い、奇策と見せて正攻法で押す。二つの要素だけで、相手が読み切れない無数の手が生まれる。基本と変化、定石と意外性をどう組み合わせるか。その組み合わせの工夫に終わりがないことが、戦略の奥深さなのです。
この章句が説くこと
奇兵孫子奇正組み合わせ定石と変化戦略
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