長短経 / 囲師
凡攻城圍邑、赤氣在城上、黄氣四面繞之、城中有大將死、城降。或城上有赤氣如飛鳥、急攻之、可破。或有氣出入者、人欲逃。或有氣如灰、氣出而覆其軍上者、士多病、城屠。或城上無雲氣、士卒散。或城營上有赤氣如衆人頭、下多死喪流血。攻城有白氣繞城而入者、急攻可得。若有屈虹從城外入城者、三日内城屠。此皆敗氣也。〕此圍師之道也。
新字:凡攻城囲邑、赤気在城上、黄気四面繞之、城中有大将死、城降。或城上有赤気如飛鳥、急攻之、可破。或有気出入者、人欲逃。或有気如灰、気出而覆其軍上者、士多病、城屠。或城上無雲気、士卒散。或城営上有赤気如衆人頭、下多死喪流血。攻城有白気繞城而入者、急攻可得。若有屈虹従城外入城者、三日内城屠。此皆敗気也。〕此囲師之道也。
書き下し
凡そ城を攻め邑を囲むに、赤気城上に在り、黄気四面より之を繞れば、城中に大将の死する有りて、城降る。或いは城上に赤気の飛鳥の如き有らば、急に之を攻めば、破るべし。或いは気の出入する者有らば、人逃げんと欲す。或いは気の灰の如き有りて、気出でて其の軍上を覆う者は、士多く病みて、城屠らる。或いは城上に雲気無ければ、士卒散ず。或いは城営の上に赤気の衆人の頭の如き有らば、下に多く死喪流血あり。城を攻むるに白気の城を繞りて入る者有らば、急に攻めば得べし。若し屈虹の城外より城に入る者有らば、三日の内に城屠らる。此れ皆敗気なり。〕此れ囲師の道なり。
現代語訳
城や村を包囲して攻めるとき、赤い気が城の上にあり、黄色い気が四方から城を取り巻けば、城中で大将が死に、城は降伏する。城の上に飛ぶ鳥のような赤い気があれば、急いで攻めれば破れる。気が出入りしていれば、城の人々は逃げようとしている。灰のような気が出て城の軍を覆えば、兵の多くが病み、城は攻め滅ぼされる。城の上に雲気がなければ、兵は散る。城の陣営の上に大勢の人の頭のような赤い気があれば、その下で多くが死に血が流れる。城を攻めるとき、白い気が城を巡って中に入れば、急いで攻めれば得られる。曲がった虹が城の外から城の中に入れば、三日以内に城は攻め滅ぼされる。これらは皆、城側の負けの気である。〕これが包囲戦の道である。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『長短経』囲師〔凡そ降人の気は、人の十十五五の如く、皆手を叉え頭を低る。又た云う、相向かいて或いは気の上は黄に下は白なる有らば、名づけて善気と曰う。臨む所の軍は、和を求めて退かんと欲す。凡そ城中に白気の旗の如き有らば、抜くべからず。或いは黄雲の城に臨む有らば、大喜慶有り。或いは青色の牛頭の如くして人に触るる有らば、城屠るべからず。或いは城中の気東方に出でて、其の色黄なるは、此れ天鉞なり。伐つべからず。伐つ者は死す。或いは城上の気火烟の如きは、主人出でて戦わんと欲す。其の気極まり無き者は、攻むべからず。或いは気の杵形の如くして、城中より外に向かう有らば、内兵突出せんと欲す。主人勝つ。攻むべからず。或いは城上に雲の分かれて両彗の状を為す者有らば、攻むるも得べからず。或いは濛気の城を繞りて入らざる者有らば、外兵入るを得ず。凡そ城を攻むるに諸気の城中より出でて吾が軍の上に入る者有らば、敵の気なり。凡そ城を攻め邑を囲むに、旬を過ぎて雷雨ならざる者は、城に輔有り。疾く之を去り、攻むること勿かれ。此れ皆勝気なり。
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『長短経』天時〔凡そ軍上の気の山堤上の林木の如きは、与に戦うべからず。我が軍に在れば大いに勝つ。或いは火光の如きも、亦た大いに勝つ。或いは敵上の白気粉拂として楼の如く、縁るに赤気を以てする者は、兵勁くして撃つべからず。吾が軍に在れば必ず大いに勝つ。或いは敵上の気黄白にして厚潤にして重き者は、与に戦うこと勿かれ。或いは雲の広さ三匹の帛の如き有れば、前後の大軍の行き好し。遥かに軍上の雲の闘鶏の如く赤白相随うを望めば、気中に在りて天の助けを得、撃つべからず。両軍相当たるに、上に気の蛇の如く、頭を挙げて敵に向かう者有れば、戦えば必ず勝つ。凡そ軍営の上に五色の気有りて、上天と連なれば、此れ天に応ずるの軍、撃つべからず。赤黄の気の天を干す有らば、亦た攻むべからず。或いは雲の日月の如くにして、赤気之を繞り、日暈の状の如く、光有る者有らば、見る所の地は大いに勝つ。攻むべからず。敵上の気の暈の状の如きは、其の軍攻むべからず。此れ皆勝気なり。〕
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『長短経』天時若し細雨軍を沐せば、機に臨みて必ず捷有り。迴風相触るれば、道還りて功無し。雲の群羊に類するは、必ず走るの道なり。気の驚鹿の如きは、必ず敗るるの勢いなり。黒雲塁より出で、赤気軍に臨み、六窮に風起こり、三刑に霧起こるは、此れ皆師の出づるを見て其の入るを見ざるなり。烟の若くして烟に非ざるは、此れ慶雲なり。星の若くして星に非ざるは、此れ帰邪なり。霧の若くして霧に非ざるは、此れ泣軍なり。雷の若くして雷に非ざるは、此れ天鼓なり。慶雲開けば、徳有り。帰邪あれば、降人有り。泣軍あれば、多く将を殺す。天鼓あれば、多く軍を敗る。是に知る、風雲の占い、歳月の候、其の来たること久し。故に古は初めて将を立て、始めて門を出でて首めて牙を建つるの時、必ず風雲の気を観る。
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『長短経』天時若し逆風来たり応じ、気旁勃し、牙杠折れ、陰にして日を見ず、旌幡激揚すれば、敗候なり。〔若し雲気敵の所より来たりて、終日止まざれば、軍出づべからず。出づれば則ち利あらず。若し風気俱に来たらば、此れ敗候と為し、急撃するに在るなり。凡そ敵上の気色の馬肝の如く、死灰の如く、或いは偃蓋に類するは、皆敗徴なり。或いは黒気の環山の如く、軍に随いて上る者は、軍必ず敗る。或いは軍上の気昏発して、夜に連なりて人を照らせば、則ち軍事散乱す。或いは軍上の気半ばにして、一たび絶ゆれば一たび敗れ、再び絶ゆれば再び敗る。東に在りて白気を発する者は、災深し。或いは軍上の気五色雑乱し、東西南北定まらざる者は、其の軍敗れんと欲す。或いは軍上に赤気炎炎として天より降る有らば、将死し衆乱る。或いは軍上に黒気の牛馬の形なる有りて、気霧の中より下りて漸く軍に入らば、名づけて天狗下りて血を食うと曰う。敗軍なり。或いは雲気の道を蓋い、濛蔽して昼冥き有らば、炊ぎを釈きて熟するに暇あらず、急ぎ去れ。此れ皆敗候なり。〕
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『長短経』天時〔諸々武事を立て、四方を征伐し、兵を興し衆を動かさんと謀るには、大風雷雨、陰にして日を見ざるを忌む。辰午酉亥は、自刑の日なり。夫れ牙旗なる者は、将軍の精なり。凡そ牙旗を竪つるには、必ず制日を以てす。制日なる者は、上下を剋するを謂うなり。初めて牙門を立つるに、之を禡して曰く「両儀に正有り、四海に王有り。宝命は天に在り、世徳弥々光る。蕞爾たる凶狡、敢えて乱常を謀る。天子我に命じ、鉞を秉りて専ら征せしむ。爰に其の旅を整え、茲の不庭を討つ。夫れ天道は順を助け、神祇は傾を害す。凶醜をして時に殲きしめ、海隅聿に清からしめよ。兵は刃に血ぬらず、凱して上京に帰らん。神気輝きを増し、永く厥の成るを観ん。寔に正直の頼み、凡そ乃ち神の霊。急急なること律令の如くせよ」と。凡そ気の初めて出づるは甑上の気の如く、勃勃として上昇す。気積もりて霧と為り、霧は陰と為り、陰気結びて虹蜺暈珥の属と為る。凡そ気積もらず結ばず、一方に散漫すれば、災を為すこと能わず。必ず殺気に和雑し、森森然として疾く起こりて、乃ち可なり。占いを論ずるに、常に平旦・下晡・日の出没の時を以て之を候う。期内に風雨有らば、災成らざるなり。〕若し風旁勃せず、旌旗暈暈として、順風に揚挙し、或いは敵に向かうこと終日なれば、軍行きて功有り。勝候なり。
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六韜・兵徴武王 太公に問ひて曰く、「吾 未だ戦はずして先づ敵人の強弱を知り、豫め勝負の徴を見んと欲す。之を為すこと奈何」と。太公曰く、「勝負の徴は、精神 先づ見る。明将は之を察す。其の敗は人に在り。謹みて敵人の出入進退を候ひ、其の動静、言語の祅祥、士卒の告ぐる所を察す。凡そ三軍 説懌し、士卒 法を畏れ、其の将の命を敬ひ、相 喜ぶに敵を破るを以てし、相 陳ぬるに勇猛を以てし、相 賢とするに威武を以てす、此れ強の徴なり。三軍 数しば驚き、士卒 斉しからず、相 恐るるに敵の強きを以てし、相 語るに不利を以てし、耳目 相属ぎ、祅言 止まず、衆口 相惑はし、法令を畏れず、其の将を重んぜず、此れ弱の徴なり。三軍 斉整にして、陳勢 已に固く、深溝高塁にして、又た大風甚雨の利あり。三軍 故なく、旌旗 前を指し、金鐸の声 揚がりて清く、鼙鼓の声 宛にして鳴る。此れ神明の助けを得たる、大勝の徴なり。行陳 固からず、旌旗 乱れて相 繞ふ。大風甚雨の利に逆らひ、士卒 恐懼し、気 絶えて属がず。戎馬 驚き奔り、兵車 軸を折る。金鐸の声 下りて濁り、鼙鼓の声 湿ふこと沐するが如し。此れ大敗の徴なり。凡そ城を攻め邑を囲むに、城の気色 死灰の如くんば、城 屠るべし。城の気 出でて北すれば、城 克つべし。城の気 出でて西すれば、城 必ず降る。城の気 出でて南すれば、城 抜くべからず。城の気 出でて東すれば、城 攻むべからず。城の気 出でて復た入れば、城主 逃北す。城の気 出でて我が軍の上を覆へば、軍 必ず病む。城の気 出でて高く止まる所なくんば、日を用ふること長久ならん。凡そ城を攻め邑を囲むに、旬を過ぎて雷せず雨せざれば、必ず亟かに之を去れ。城に必ず大輔あり。此れ攻むべきを知りて攻め、攻むべからざれば止まる所以なり」と。武王曰く、「善き哉」と。