長短経 / 地形
疾戰則存、不疾則亡者、為死地〔前有髙山、後有大水、進則不得、退復有碍又粮乏絶、故為死地。在死地者、當及士卒尚飽、强志殊死、故可以俱死。故《經》曰、“死地、吾將示之以不活也”。〕
新字:疾戦則存、不疾則亡者、為死地〔前有高山、後有大水、進則不得、退復有碍又粮乏絶、故為死地。在死地者、当及士卒尚飽、強志殊死、故可以倶死。故《経》曰、“死地、吾将示之以不活也”。〕
書き下し
疾く戦えば則ち存し、疾からざれば則ち亡ぶ者を、死地と為す〔前に高山有り、後ろに大水有り。進めば則ち得ず、退けば復た碍有り、又た糧乏絶す。故に死地と為す。死地に在る者は、当に士卒の尚お飽き、強志殊死なるに及ぶべし。故に以て俱に死すべし。故に経に曰く、死地は、吾将に之に示すに活きざるを以てせんとす、と〕。
現代語訳
急いで戦えば生き残り、急がなければ滅びる地を死地という〔前に高い山、後ろに大河があり、進もうにも進めず、退こうにも妨げがあり、そのうえ食糧も尽きている。だから死地という。死地にいるときは、兵がまだ腹が満ちて気力が強く、決死の覚悟があるうちに戦うべきである。だからともに死ぬ覚悟で戦える。だから兵法書に、死地では生きる道はないと兵に示す、とある〕。
解説
死地は、前に山、後ろに大河があり、食糧も尽きかけている、進むも退くもできない場所です。ここでは迷っている時間が最大の敵になる。兵がまだ腹が満ちて気力のあるうちに、生きる道はないと示して決死の戦いに出る。時間がたつほど体力も士気も落ちていく。追い詰められたときほど、力が残っているうちに一気に勝負をかけなければならない。先延ばしは、状況を良くするどころか、最後の力を奪っていくのです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
地形孫子死地決断時間覚悟
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『長短経』地形故に曰く、深草蓊穢なる者は、遁逃する所以なり。深谷阻険なる者は、車騎を止禦する所以なり。隘塞山林なる者は、少を以て衆を撃つ所以なり〔衆少は以て夜に敵を撃つべきなり〕。沛沢杳冥なる者は、其の形を匿す所以なり。丈五の溝、漸車の水〔漸は、浸なり。音は子廉の反〕、山林石径、涇川丘阜〔涇川は、常流の川なり〕、草木の在る所は、此れ歩兵の地にして、車騎は二も一に当たらず。丘陵漫衍して相属し〔漫衍は、猶お聯延のごときなり。属は、続なり。音は之欲の反〕、平原広野なるは、此れ車騎の地にして、歩兵は十も一に当たらず。
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『長短経』地形我得れば則ち利あり、彼得るも亦た利ある者を、争地と為す〔少を以て衆に勝ち、弱を以て強に勝つべし。山水の阨口、険固の利有りて、両敵の争う所を謂う。故に経に曰く、争地は、吾将に其の後に趣かんとす、と〕。我以て往くべく、彼以て来たるべきを、交地と為す〔道上相交錯し、平地に数道有りて、往来交通し、絶つべき無きなり。故に経に曰く、交地は、吾将に其の結を固めんとす、と〕。諸侯の地三属し〔我と敵と相対して、旁に他国有るなり〕、先に至りて天下の衆を得る者を、衢地と為す〔先に其の地に至らば、諸侯の衆を交結して助けと為すべきなり。故に経に曰く、衢地は、吾将に其の守りを謹まんとす、と〕。
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