長短経 / 詭俗
由是觀之、夫俗之好惡、與事相詭、唯明者能察之。〔韓子曰、“君臣之利異、故人臣莫忠、故臣利立而主利滅。”此之謂異利者也。〕
新字:由是観之、夫俗之好悪、与事相詭、唯明者能察之。〔韓子曰、“君臣之利異、故人臣莫忠、故臣利立而主利滅。”此之謂異利者也。〕
書き下し
是に由りて之を観れば、夫れ俗の好悪は、事と相詭る。唯だ明なる者のみ能く之を察す。〔韓子曰く「君臣の利は異なる。故に人臣は忠なる莫し。故に臣の利立ちて主の利滅ぶ」と。此れ利を異にする者の謂いなり。〕
現代語訳
これで見れば、世俗の好き嫌いは、物事の実際と食い違う。ただ明察な者だけがそれを見抜ける。〔韓非子は言う。「君主と臣下の利益は異なる。だから臣下は忠実ではない。だから臣下の利益が立てば、君主の利益は滅びる」。これが利益を異にする者ということである。〕
解説
詭俗の篇は、世間の評判と物事の実際は食い違うという結論で閉じます。世間が褒める振る舞いが組織を損ない、世間が嫌う厳しさが組織を守ることがある。韓非子は、君主と臣下の利益はもともと違うので、臣下の利益が立つとき君主の利益が損なわれると言う。評判の良し悪しに流されず、誰の利益になっているのかを見極める。それができるのは明察な者だけだという、冷徹な観察です。
この章句が説くこと
詭俗韓非子評判利害明察組織
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