長短経 / 運命
〔《易》曰、「精氣為物、逰魂為變。」夫人之受生、貌異音殊、苦樂愚智、尊卑夀夭、無非三世業理使之然。〕夫天道性命、聖人所希言也。雖有其㫖難得而詳。然校之古今、錯綜其紀、乗乎三勢、亦可以彷彿其畧。何以言之?荀悅云、「凡三光〔議曰、三光、日月星也。、〕精氣變異、此皆隂陽之精也。其本在地、而上發於天。政失於此、則變見於彼、不其然乎?」
新字:〔《易》曰、「精気為物、遊魂為変。」夫人之受生、貌異音殊、苦楽愚智、尊卑寿夭、無非三世業理使之然。〕夫天道性命、聖人所希言也。雖有其旨難得而詳。然校之古今、錯綜其紀、乗乎三勢、亦可以彷彿其略。何以言之?荀悦云、「凡三光〔議曰、三光、日月星也。、〕精気変異、此皆陰陽之精也。其本在地、而上発於天。政失於此、則変見於彼、不其然乎?」
書き下し
〔易に曰く「精気は物と為り、遊魂は変を為す」と。夫れ人の生を受くるや、貌異なり音殊なり、苦楽・愚智・尊卑・寿夭、三世の業理之をして然らしむるに非ざるは無し。〕夫れ天道性命は、聖人の希に言う所なり。其の旨有りと雖も、得て詳らかにし難し。然れども之を古今に校べ、其の紀を錯綜し、三勢に乗ずれば、亦た以て其の略を彷彿すべし。何を以て之を言う。荀悦云う「凡そ三光〔議に曰く、三光は日月星なり〕の精気の変異は、此れ皆陰陽の精なり。其の本は地に在りて、上天に発す。政此に失えば、則ち変彼に見る。其れ然らずや」と。
現代語訳
〔『易』に「精気が集まって物となり、魂が離れて変化となる」とある。人が生を受けると、容貌も声も異なり、苦楽、愚智、貴賤、寿命の長短は、どれも前世・今世・来世の業の理がそうさせているのである。〕天の道や人の性と命は、聖人もめったに語らなかったことである。その趣旨はあっても、詳しく知るのは難しい。しかし古今に照らし、その筋道を組み合わせ、三つの形勢に乗って考えれば、おおよその姿は浮かび上がる。何によってそう言うか。荀悦は言う。「日・月・星の三光〔論じて言う。三光とは日月星である〕の精気の異変は、どれも陰陽の精である。その根本は地にあって、上って天に現れる。政治がこちらで失われれば、異変があちらに現れる。そうではないか」。
解説

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『十善法語』巻第十・不邪見戒之上古人モ死生命アリ。富貴天ニ在ト云フ。風ノ吹テ来ル如トハ云ハヌ。伯牛カ手ヲ執テ。斯人ニシテ此病アル。命ナルカナト云。風ニ吹カルル如クトハナイ。此等ヲ以テ看ヨ。人間一生ノ貴賤貧富。患難逸楽。時ノ拍子トバカリハ云ハヌ。命ヲ受ル所有ルヘキシヤ。此者カ又神滅論ト云書ヲ著シテ云。形ハコレ神ノ質。神ト云者ハ形ノ用。利ノ刀ニ在ル如ク。刀没シテ利ノ留ルコト無ニ由テ。形滅シテ神ノ残ル理ナシト。此モ一往ハサモアルベキナレトモ。再三思惟セハ。ソノ大ニ相違セルコトヲ知ルヘシ。
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『肝要工夫録』・善悪が禍福を呼ぶ人たる者、一寸の善事を行へば、一寸の福を命じ、一寸の惡事を行へば、一寸の禍を命ず。是れ人々の行ふ處に依つて、天より禍福を命じ給ふ筈にて、譬へば童の手習するが如し、能く出來ると惡く出來るとは、習ふ者の出精不精にあることにて、天命は手習師匠の點をかけたり、直したりするが如し。世人富貴を願はざるものはなし。然れども、之を願ふのみにて、人たるの道を行はず、恣にするは、孟子の所謂木によつて魚を求めむことを欲し、又素を喰ふて病を愈さむとするが如し、何ぞ天より是に福を與へむや。こゝを以て、天命を知ること肝要なるべし。
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礼記・礼運故に政は、君の身を蔵する所以なり。是の故に夫れ政は必ず天に本づき、殽(なら)いて以て命を降す。命の社に降る、之を殽地と謂い、祖廟に降る、之を仁義と謂い、山川に降る、之を興作と謂い、五祀に降る、之を制度と謂う。此れ聖人の身を蔵する所以の固めなり。
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