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長短経 / 懼戒

太宗喜曰、「計將安出?」文靜對曰、「今李密長圍洛邑、主上流播淮南。大賊連州郡、小盗阻山澤者、以千萬數。但須真主馭駕取之、誠能應天順人、舉旗大呼、則四海不足定也。今并州百姓避盗賊者、皆入此城。文靜為令數年、知其豪傑、一朝嘯集、立地可數萬人。尊公所領之兵復且數萬、一言出口、誰敢不從?乗虚入闗、號令天下、不盈半嵗、帝業可成。」太宗笑曰、「卿言善、合人意。」

新字:太宗喜曰、「計将安出?」文静対曰、「今李密長囲洛邑、主上流播淮南。大賊連州郡、小盗阻山沢者、以千万数。但須真主馭駕取之、誠能応天順人、舉旗大呼、則四海不足定也。今并州百姓避盗賊者、皆入此城。文静為令数年、知其豪傑、一朝嘯集、立地可数万人。尊公所領之兵復且数万、一言出口、誰敢不従?乗虚入関、号令天下、不盈半歳、帝業可成。」太宗笑曰、「卿言善、合人意。」

書き下し

太宗喜びて曰く「計将に安くにか出でんとする」と。文静対えて曰く「今、李密は長く洛邑を囲み、主上は淮南に流播す。大賊は州郡を連ね、小盗の山沢を阻む者、千万を以て数う。但だ須らく真主の馭駕して之を取るべし。誠に能く天に応じ人に順い、旗を挙げて大呼せば、則ち四海も定むるに足らず。今、并州の百姓の盗賊を避くる者、皆此の城に入る。文静は令為ること数年、其の豪傑を知る。一朝嘯集せば、立地に数万人なるべし。尊公の領する所の兵も復た且に数万ならんとす。一言口より出でば、誰か敢えて従わざらん。虚に乗じて関に入り、天下に号令せば、半歳に盈たずして、帝業成るべし」と。太宗笑いて曰く「卿の言善し、人の意に合う」と。

現代語訳

李世民は喜んで言った。「どういう計があるか」。劉文静は答えた。「いま李密は洛陽を長く囲み、主上は淮南にさまよっています。大きな賊は州や郡を連ね、山や沢に立てこもる小さな盗賊は数千万にのぼります。ただ真の主君が手綱を取って天下を取ればよいのです。もし天に応じ人に従い、旗を挙げて大声で呼べば、四海を定めるのも難しくありません。いま并州の民で盗賊を避ける者は皆この城に入っています。私は県令を数年務めて、その豪傑を知っています。一度呼び集めれば、たちまち数万人になります。お父上の率いる兵もまた数万になろうとしています。一言口に出せば、誰が従わないでしょう。手薄な隙に乗じて関中に入り、天下に号令すれば、半年もたたずに帝業は成ります」。李世民は笑って言った。「あなたの言うことは良い。私の考えに合う」。

解説

劉文静の計画は、数字と地理で組み立てられていました。隋の主力は李密との戦いと皇帝の逃避で手薄。并州には盗賊を避けた民が集まっており、県令として豪傑の顔を知っている自分が呼べば数万人になる。李淵の兵も数万。この兵力で関中に入れば半年で帝業が成る。自分が持っている人脈を、具体的な兵力の数字に換算して示したことが説得力を生んでいます。人脈は、動員できる形で語られたときに初めて戦略になるのです。

この章句が説くこと

懼戒劉文静李世民人脈動員関中

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