長短経 / 三国権
夫屯壘相逼、巧拙得用、筞之而知得失之計、角之而知有餘不足之處。情偽將焉所逃。夫以小敵大、則役煩力竭、以貧敵富、則歛重財匱。故敵逸能勞之、飽能饑之、此之謂也。然後盛衆厲兵以振之、參恵倍賞以招之、多方廣似以疑之。由不虞之道、以閒其不戒。比及三年、左提右挈、虜必氷散瓦解、安受其弊可坐算而得也。
新字:夫屯塁相逼、巧拙得用、筞之而知得失之計、角之而知有余不足之処。情偽将焉所逃。夫以小敵大、則役煩力竭、以貧敵富、則歛重財匱。故敵逸能労之、飽能饑之、此之謂也。然後盛衆厲兵以振之、参恵倍賞以招之、多方広似以疑之。由不虞之道、以閒其不戒。比及三年、左提右挈、虜必氷散瓦解、安受其弊可坐算而得也。
書き下し
夫れ屯塁相逼れば、巧拙用を得。之を策りて得失の計を知り、之を角べて有余不足の処を知る。情偽将に焉くにか逃れん。夫れ小を以て大に敵すれば、則ち役煩わしく力竭き、貧を以て富に敵すれば、則ち斂重くして財匱し。故に敵佚なれば能く之を労し、飽けば能く之を饑えしむとは、此の謂いなり。然る後に衆を盛んにし兵を厲まして以て之を振るい、恵を参え賞を倍にして以て之を招き、多方広似して以て之を疑わしむ。不虞の道に由りて、以て其の戒めざるを間す。三年に比及して、左提右挈せば、虜は必ず氷散瓦解せん。安んじて其の弊を受くること、坐して算えて得べきなり。
現代語訳
砦を築いて近くで向き合えば、巧みさと拙さの差が出ます。相手を計って得失を知り、ぶつかり合って余裕と不足のところを知る。相手の本当と偽りはどこにも隠れようがありません。小さい者が大きい者に対すれば労役が重なって力が尽き、貧しい者が富める者に対すれば取り立てが重くなって財が尽きます。孫子が「敵が楽をしていれば疲れさせ、満ち足りていれば飢えさせる」と言うのはこのことです。そのうえで兵を増やし鍛えて威を振るい、恩恵を加え褒賞を倍にして敵の人を招き、あちこちで似たような動きを見せて疑わせる。思いがけない道を使って、相手の油断を突く。三年もすれば、左右から引き寄せて、敵は必ず氷が溶け瓦が崩れるように散り散りになります。落ち着いてその疲弊を受け取るのは、座って計算して得られることです。
解説
この章句が説くこと
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