長短経 / 三国権
〔劉備襲蜀、丞相掾趙戬曰、「劉備其不濟乎?拙於用兵、每戰必敗、奔亡不暇、何以圖人?蜀雖小國、險固四塞、獨守之國、難卒并也。」徴士傅幹曰、「劉備寛仁有度、能得人之死力、諸葛亮逹理知變、正而有謀而為之相、張飛、關侯勇而有義、皆萬人之敵而為之將。此三人者、皆人傑也、以劉備之略、三傑佐之、何為不濟?」
新字:〔劉備襲蜀、丞相掾趙戬曰、「劉備其不済乎?拙於用兵、毎戦必敗、奔亡不暇、何以図人?蜀雖小国、険固四塞、独守之国、難卒并也。」徴士傅幹曰、「劉備寛仁有度、能得人之死力、諸葛亮逹理知変、正而有謀而為之相、張飛、関侯勇而有義、皆万人之敵而為之将。此三人者、皆人傑也、以劉備之略、三傑佐之、何為不済?」
書き下し
〔劉備、蜀を襲う。丞相掾趙戩曰く「劉備其れ済らざらんか。兵を用うるに拙く、戦う毎に必ず敗れ、奔亡するに暇あらず。何を以て人を図らん。蜀は小国なりと雖も、険固四塞にして、独守の国なり。卒かに并せ難きなり」と。徴士傅幹曰く「劉備は寛仁にして度有り、能く人の死力を得。諸葛亮は理に達し変を知り、正にして謀有りて、之が相と為る。張飛・関侯は勇にして義有り、皆万人の敵にして、之が将と為る。此の三人の者は、皆人傑なり。劉備の略を以て、三傑之を佐く。何為れぞ済らざらん」と。
現代語訳
〔劉備が蜀を襲ったとき、丞相府の属官趙戩は言った。「劉備はうまくいかないだろう。兵の用い方が拙く、戦うたびに敗れ、逃げ回るのに忙しかった。どうして人の国を取れよう。蜀は小国でも、四方を険しい要害に囲まれ、単独で守れる国だ。急には併せられない」。在野の士傅幹は言った。「劉備は寛大で仁があり度量も大きく、人に死力を尽くさせることができる。諸葛亮は道理に通じて変化を知り、正しくて謀略もあり、宰相を務めている。張飛と関羽は勇ましく義があり、どちらも一人で万人に当たる勇者で、将を務めている。この三人は皆、人傑だ。劉備の才略に三人の傑物が補佐しているのだから、どうして成功しないことがあろう」。
解説
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