長短経 / 覇図
曰、「何以賀得子而生也?」通曰、「趙武信君不知通不肖、使人候通、問其死生、通見武信君而説之曰、『必將戰勝而後畧地、攻得而後取天下城、臣竊以為殆矣。
新字:曰、「何以賀得子而生也?」通曰、「趙武信君不知通不肖、使人候通、問其死生、通見武信君而説之曰、『必将戦勝而後略地、攻得而後取天下城、臣窃以為殆矣。
書き下し
曰く「何を以て子を得て生くるを賀するや」と。通曰く「趙の武信君、通の不肖を知らず、人をして通を候わしめ、其の死生を問う。通、武信君に見えて之に説きて曰く『必ず将に戦い勝ちて後に地を略し、攻め得て後に天下の城を取らんとするは、臣竊かに以て殆しと為す。
現代語訳
徐公は言った。「なぜ、あなたを得て生き延びると祝うのか」。蒯通は言った。「趙の武信君は私が不肖なのを知らず、人をやって私の様子をうかがい、生死を尋ねました。私は武信君に会ってこう説きました。『必ず戦いに勝ってから土地を取り、攻め落としてから天下の城を取ろうとするのは、私はひそかに危ういと思います。
解説
勝ってから取る、攻め落としてから取る。当たり前に見える順序を、蒯通は危ういと言います。一つ落とすたびに消耗し、相手は必死になるからです。ここから彼は、戦わずに地を取る方法を提案していきます。正攻法の何が高くつくのかを先に示してから代案を出す。説得の順序として教科書的です。相手がまだ聞く姿勢のうちに、前提のほうを崩しておく。危ういと言われた側は、その理由を知りたくなります。反論ではなく質問を引き出す入り方です。
この章句が説くこと
覇図蒯通武信君戦わずに取る順序説得
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