長短経 / 正論
〔議曰、〈反經〉、〈是非〉、〈適變〉三篇、雖博辯利害、然其弊流遁漫羡無所歸故作〈正論〉以質之。〕孔子曰、“六藝於治一也。《禮》以節人、《樂》以發和、《書》以導事、《詩》以達意、《易》以神化、《春秋》以義。”〔司馬談曰、“《易》著天地隂陽、四時五行、故長於變、《禮》經紀人倫、故長於行、《書》記先王之事、故長於政、《詩》記山川谿谷、禽獸草木、牝牡雌雄、故長於風、《樂》所以立、故長於和、《春秋》是非、故長於理人也。”〕
新字:〔議曰、〈反経〉、〈是非〉、〈適変〉三篇、雖博弁利害、然其弊流遁漫羡無所帰故作〈正論〉以質之。〕孔子曰、“六芸於治一也。《礼》以節人、《楽》以発和、《書》以導事、《詩》以達意、《易》以神化、《春秋》以義。”〔司馬談曰、“《易》著天地陰陽、四時五行、故長於変、《礼》経紀人倫、故長於行、《書》記先王之事、故長於政、《詩》記山川谿谷、禽獣草木、牝牡雌雄、故長於風、《楽》所以立、故長於和、《春秋》是非、故長於理人也。”〕
書き下し
〈議に曰く、反経・是非・適変の三篇は、博く利害を弁ずと雖も、然れども其の弊は流遁漫羨として帰する所無し。故に正論を作りて以て之を質す。〉孔子曰く「六芸の治に於けるは一なり。礼は以て人を節し、楽は以て和を発し、書は以て事を導き、詩は以て意を達し、易は以て化を神にし、春秋は以て義とす」と。〈司馬談曰く「易は天地陰陽・四時五行を著す。故に変に長ず。礼は人倫を経紀す。故に行に長ず。書は先王の事を記す。故に政に長ず。詩は山川谿谷・禽獣草木・牝牡雌雄を記す。故に風に長ず。楽は立つ所以なり。故に和に長ず。春秋は是非す。故に人を理むるに長ずるなり」と。〉
現代語訳
〈議していう。反経・是非・適変の三篇は、広く利害を論じてはいるが、その弊害は流れ漂って帰着するところがない。だから正論を作ってこれを正す。〉孔子はこう言った。「六芸は治めるという点では一つである。礼は人を節し、楽は和らぎを起こし、書は事を導き、詩は意を伝え、易は変化を神妙にし、春秋は義を示す」。〈司馬談はこう言った。「易は天地陰陽と四時五行を記す。だから変化に長ける。礼は人倫を組み立てる。だから行いに長ける。書は先王の事績を記す。だから政治に長ける。詩は山川渓谷・鳥獣草木・雌雄を記す。だから風俗に長ける。楽は人が立つよりどころである。だから和に長ける。春秋は是非を定める。だから人を治めるのに長ける」。〉
解説

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