長短経 / 是非
韓子曰、“凡人之大體、取舍同則相是、取舍異則相非也。”《易》曰、“同聲相應、同氣相求。水流濕、火就燥、雲從龍、風從虎。”〔非曰〕《易》曰、“二女同居、其志不同。”《語》曰、“一棲不兩雄、一泉無二蛟。”又曰、“凡人情以同相妒。”故曰、“同美相妒、同貴相害、同利相忌。”〔是曰〕
新字:韓子曰、“凡人之大体、取舎同則相是、取舎異則相非也。”《易》曰、“同声相応、同気相求。水流湿、火就燥、雲従竜、風従虎。”〔非曰〕《易》曰、“二女同居、其志不同。”《語》曰、“一棲不両雄、一泉無二蛟。”又曰、“凡人情以同相妒。”故曰、“同美相妒、同貴相害、同利相忌。”〔是曰〕
書き下し
韓子曰く「凡そ人の大体は、取舎同じければ則ち相い是とし、取舎異なれば則ち相い非とするなり」と。易に曰く「同声相応じ、同気相求む。水は湿に流れ、火は燥に就く。雲は龍に従い、風は虎に従う」と。〔非に曰く〕易に曰く「二女同居すれば、其の志同じからず」と。語に曰く「一棲に両雄あらず、一泉に二蛟なし」と。又た曰く「凡そ人情は同を以て相い妒む」と。故に曰く「同美は相い妒み、同貴は相い害し、同利は相い忌む」と。
現代語訳
韓非子はこう言った。「およそ人の大筋として、取るものと捨てるものが同じなら互いに是とし、異なれば互いに非とする」。易にこうある。「同じ声は響き合い、同じ気は求め合う。水は湿ったところへ流れ、火は乾いたところへ向かう。雲は龍に従い、風は虎に従う」。〔非の側。〕易にこうある。「二人の女が同居すれば、その志は同じにならない」。ある書物にこうある。「一つの巣に二羽の雄はおらず、一つの泉に二匹の蛟はいない」。またこうある。「およそ人の情は、同じであることによって妬み合う」。だからこう言う。「美しさが同じなら妬み合い、地位が同じなら害し合い、利が同じなら忌み合う」。
解説
同じ者は引き合う、という易の言葉と、同じ者は憎み合う、というもう一つの易の言葉。どちらも易から引かれているのが面白いところです。分かれ目は、同じにしている対象が価値観なのか、地位や取り分なのかでしょう。志が同じなら味方になり、椅子が同じなら敵になる。人を組ませるときは、何が同じで何が違うかを見分ける必要があります。
この章句が説くこと
是非易同声相応同美相妒韓非子妬み
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