長短経 / 反経
晏子曰、“臣專其君、謂之不忠、子專其父、謂之不孝、妻專其夫、謂之嫉妬〔反忠孝也。《吕氏春秋》曰、“夫隂陽之和、不長一類、甘露時雨、不私一物、萬人之主、不阿一人。”申子曰、“一婦擅夫、衆婦皆亂、一臣專君、羣臣皆蔽。故妬妻不難破家也、而亂臣不難破國也。是以明君使其臣、並進輻輳、莫得專君焉。〕
新字:晏子曰、“臣専其君、謂之不忠、子専其父、謂之不孝、妻専其夫、謂之嫉妬〔反忠孝也。《呂氏春秋》曰、“夫陰陽之和、不長一類、甘露時雨、不私一物、万人之主、不阿一人。”申子曰、“一婦擅夫、衆婦皆乱、一臣専君、羣臣皆蔽。故妬妻不難破家也、而乱臣不難破国也。是以明君使其臣、並進輻輳、莫得専君焉。〕
書き下し
晏子曰く「臣、其の君を専らにするを、之を不忠と謂う。子、其の父を専らにするを、之を不孝と謂う。妻、其の夫を専らにするを、之を嫉妬と謂う」と。〔忠孝に反するなり。呂氏春秋に曰く「夫れ陰陽の和は、一類を長ぜず。甘露時雨は、一物を私せず。万人の主は、一人に阿らず」と。申子曰く「一婦、夫を擅にすれば、衆婦皆な乱る。一臣、君を専らにすれば、群臣皆な蔽わる。故に妬妻は家を破るに難からざるなり。而して乱臣は国を破るに難からざるなり。是を以て明君は其の臣を使うに、並び進みて輻輳せしめ、君を専らにするを得る莫からしむ」と。〕
現代語訳
晏子はこう言った。「臣下がその君主を独占するのを不忠という。子がその父を独占するのを不孝という。妻がその夫を独占するのを嫉妬という」。〔忠孝に反する場合である。呂氏春秋にこうある。「陰陽の調和は、一つの類だけを育てない。甘い露や時季の雨は、一つの物だけをえこひいきしない。万人の主は、一人にだけ迎合しない」。申子はこう言った。「一人の妻が夫を独占すれば、他の妻はみな乱れる。一人の臣が君を独占すれば、他の臣はみな覆われる。だから嫉妬深い妻が家を壊すのは難しくない。よこしまな臣が国を壊すのも難しくない。だから明君は臣下を使うとき、並んで進ませ車輪の輻のように集まらせ、誰も君主を独占できないようにする」。〕
解説
この章句が説くこと
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『甲陽軍鑑』品第四十三第三に忠節忠功のよき武士をそねむ人は我主君に忠節忠功の奉公なき故、よき武士をそねみ倒したがるは、いくさに大毒の人なり、ここをもつて陣の時、此人をきらふなり、第四に忠節忠功の人を嫌ふ者は、武士の家職を不存未練の侍故其陣をいやがり、敵の事計りを大にほめて、味方のよわる様に申ものなり、ここをもつて此人をきらふなり、