長短経 / 徳表
孔子曰、“性相近也、習相逺也。”言嗜慾之本同、而遷染之塗異也。夫刻意則行不肆、牽物則其志流。是以聖人導人理性、裁抑流宕、慎其所與、節其所偏。故《傳》曰、“審好惡、理情性、而王道畢矣。”治性之道、必審己之所有餘、而强其所不足。蓋聰明疏通者、戒於太察、寡聞少見者、戒於壅蔽、勇猛剛强者、戒於太暴、仁愛温良者、戒於無斷、湛静安舒者、戒於後時、廣心浩大者、戒於遺忘。
新字:孔子曰、“性相近也、習相遠也。”言嗜慾之本同、而遷染之塗異也。夫刻意則行不肆、牽物則其志流。是以聖人導人理性、裁抑流宕、慎其所与、節其所偏。故《伝》曰、“審好悪、理情性、而王道畢矣。”治性之道、必審己之所有余、而強其所不足。蓋聰明疏通者、戒於太察、寡聞少見者、戒於壅蔽、勇猛剛強者、戒於太暴、仁愛温良者、戒於無断、湛静安舒者、戒於後時、広心浩大者、戒於遺忘。
書き下し
孔子曰く「性は相近きなり、習は相遠きなり」と。嗜慾の本は同じくして、遷染の塗の異なるを言うなり。夫れ意を刻めば則ち行いは肆ならず、物に牽かるれば則ち其の志は流る。是を以て聖人は人を導きて性を理め、流宕を裁抑し、其の与する所を慎み、其の偏する所を節す。故に伝に曰く「好悪を審らかにし、情性を理むれば、王道畢れり」と。性を治むるの道は、必ず己の余り有る所を審らかにして、其の足らざる所を強むるなり。蓋し聡明疏通なる者は太だ察なるを戒め、寡聞少見なる者は壅蔽を戒め、勇猛剛強なる者は太だ暴なるを戒め、仁愛温良なる者は断無きを戒め、湛静安舒なる者は時に後るるを戒め、広心浩大なる者は遺忘を戒む。
現代語訳
孔子は「生まれつきは互いに近く、習慣によって互いに遠くなる」と言った。欲するものの根は同じでありながら、移り染まる道筋が異なることを言っている。志を刻みつければ行いは思うままにならず、物に引かれれば志は流れる。だから聖人は人を導いて性質を整え、流れ放れるのを抑え、誰と交わるかを慎み、偏るところを節する。だから伝えにこうある。「好悪をはっきりさせ、情と性を整えれば、王の道は尽きている」。性質を治める道は、必ず自分の余っているところを見きわめて、足りないところを強めることである。だから聡明で物分かりのよい者は細かく見すぎることを戒め、見聞の少ない者は塞がれて覆われることを戒め、勇猛で剛強な者は乱暴になることを戒め、情け深く温和な者は決断しないことを戒め、静かでゆったりした者は時機に遅れることを戒め、心が広く大きい者は忘れることを戒める。
解説
この章句が説くこと
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