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長短経 / 臣行

”范曄稱、“夫人利仁者、或借仁以從利、體義者、不期體以合義。季文子妾不衣帛、魯人以為美談、公孫𢎞身服布被、汲黯譏其多詐。事實未殊而毁譽别者、何也?將體之與利之異乎?故前志云、仁者安仁、智者利仁、畏罪者强仁。挍其仁者、功無以殊、核其為仁、不得不異。安仁者、性善者也、利仁者、力行者也、强仁者、不得已者也。三仁相比、則安者優矣。”

新字:”范曄称、“夫人利仁者、或借仁以従利、体義者、不期体以合義。季文子妾不衣帛、魯人以為美談、公孫弘身服布被、汲黯譏其多詐。事実未殊而毀誉別者、何也?将体之与利之異乎?故前志云、仁者安仁、智者利仁、畏罪者強仁。挍其仁者、功無以殊、核其為仁、不得不異。安仁者、性善者也、利仁者、力行者也、強仁者、不得已者也。三仁相比、則安者優矣。”

書き下し

范曄称す「夫れ人の仁を利とする者は、或いは仁を借りて以て利に従う。義を体する者は、体するを期せずして義に合す。季文子の妾は帛を衣ず、魯人以て美談と為す。公孫弘は身に布被を服す、汲黯は其の詐り多きを譏る。事実未だ殊ならずして毀誉別るる者は何ぞや。将た之を体すると之を利とすると異なるか。故に前志に云う、仁者は仁に安んじ、智者は仁を利とし、罪を畏るる者は仁を強う。其の仁を挍ぶれば、功は以て殊なる無し。其の仁を為すを核すれば、異ならざるを得ず。仁に安んずる者は、性善なる者なり。仁を利とする者は、力め行う者なり。仁を強うる者は、已むを得ざる者なり。三仁相い比ぶれば、則ち安んずる者優れり」と。

現代語訳

范曄はこう述べる。「仁を利益とする者は、仁を借りて利益を追うことがある。義を体する者は、体しようと期さずに義に合う。季文子の妾は絹を着なかった。魯の人はこれを美談とした。公孫弘は身に布の夜具を用いた。汲黯はその偽りが多いと譏った。事実は変わらないのに評価が分かれるのはなぜか。それは体しているか利用しているかの違いだろうか。だから古い記録にこうある。仁者は仁に安んじ、智者は仁を利とし、罪を恐れる者は仁を無理に行う。その仁を比べれば、はたらきに違いはない。その仁のあり方を調べれば、違わずにはいられない。仁に安んじる者は、本性が善である者である。仁を利とする者は、努力して行う者である。仁を無理に行う者は、やむを得ない者である。三つの仁を比べれば、安んじる者が優れている」。

解説

同じ倹約なのに、季文子は褒められ公孫弘は疑われた。事実は同じで評価が正反対になるのはなぜか、という問いです。答えは、体しているか利用しているか。本性からの仁、努力による仁、やむを得ない仁。三つは行為として区別できません。それでも人は嗅ぎ分ける。質素な暮らしぶりを発信している人が、なぜか胡散臭く見えることがある。その直感を説明した一段です。
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この章句が説くこと

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