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長短経 / 君徳

〔荀悅曰、「髙祖起於布衣之中、奮劒而取天下、不由唐虞之禪、不階湯武之士、龍興虎變、率從風雲、征亂伐暴、廓清帝宇、八載之間、海内克定、遂荷天衢、登建皇極、上古以來、書籍所載、未嘗有也。非雄俊之才、寛明之略、歴數所授、神祇所相、安能致功如此?焚魚斷虵、異物同符、豈非精靈之感哉?」《書》曰、「天工人其代之。」《易》曰、「湯武革命、順乎天而應乎人。」斯之謂矣。

新字:〔荀悦曰、「高祖起於布衣之中、奮劒而取天下、不由唐虞之禅、不階湯武之士、竜興虎変、率従風雲、征乱伐暴、廓清帝宇、八載之間、海内克定、遂荷天衢、登建皇極、上古以来、書籍所載、未嘗有也。非雄俊之才、寛明之略、歴数所授、神祇所相、安能致功如此?焚魚断虵、異物同符、豈非精霊之感哉?」《書》曰、「天工人其代之。」《易》曰、「湯武革命、順乎天而応乎人。」斯之謂矣。

書き下し

〔荀悦曰く「高祖は布衣の中より起こり、剣を奮いて天下を取る。唐虞の禅に由らず、湯武の士に階らず。龍興虎変し、率ね風雲に従う。乱を征し暴を伐ち、帝宇を廓清す。八載の間、海内克く定まる。遂に天衢を荷い、皇極を登建す。上古以来、書籍の載する所、未だ嘗て有らざるなり。雄俊の才、寛明の略、歴数の授くる所、神祇の相くる所に非ずんば、安くんぞ能く功を致すこと此くの如くならんや。魚を焚き蛇を断つ、異物にして符を同じくす。豈に精霊の感に非ずや」と。書に曰く「天工は人其れ之に代わる」と。易に曰く「湯武の革命は、天に順いて人に応ず」と。斯れ之を謂うなり。

現代語訳

〔荀悦はこう言った。「高祖は庶民のなかから起こり、剣を奮って天下を取った。堯舜の禅譲によらず、湯王・武王のような家臣団の足がかりもなかった。龍のように興り虎のように変じ、おおむね風雲に従った。乱を征し暴を討ち、帝都を清めた。八年の間に天下はよく定まった。ついに天の大道を担い、皇帝の位を建てた。上古以来、書物に記されたなかで、こんな例はかつてない。並外れた才、寛やかで明らかな計略、天の暦数が授けたもの、神々が助けたものでなければ、どうしてこれほどの功を成せたろう。魚を焼き蛇を斬る、別々の出来事でありながらしるしを同じくする。これは霊妙な感応ではないか」。書経にこうある。「天の仕事を人が代わって行う」。易にこうある。「湯王・武王の革命は、天に順って人に応じた」。まさにこのことである。

解説

荀悦の評は、高祖の前提条件の乏しさを強調します。禅譲の正統性もなく、代々仕えてきた家臣団もない。八年で天下を定めた。書物にこんな例はないと言い切ります。前段の曹植が光武を上としたのに対し、ここでは高祖を上とする見方が並べられる。趙蕤は結論を出さずに両論を置きます。同じ人物への評価が、見る角度で正反対になる。それを並べて見せるのがこの書の作法です。

この章句が説くこと

君徳荀悦漢高祖布衣条件革命

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