師導古典を学びたいすべての人に

長短経 / 論士

〔宣王左右曰、“大王據千乘之地、而建千石之鍾、東南西北、莫敢不服。今夫士之髙者、乃稱匹夫、徒步而處於農畝之下、則鄙野、監門、閭里士之賤也、亦甚矣。”觸曰、“古大禹之時、諸侯萬國。舜起農畝而為天子。及湯之時、諸侯三千。當今之世、南面稱寡人者、乃四。世由此觀之、非得失之策與?稍稍誅滅、滅亡無族之時、欲為監門、閭里安可得哉?

新字:〔宣王左右曰、“大王拠千乗之地、而建千石之鍾、東南西北、莫敢不服。今夫士之高者、乃称匹夫、徒歩而処於農畝之下、則鄙野、監門、閭里士之賤也、亦甚矣。”触曰、“古大禹之時、諸侯万国。舜起農畝而為天子。及湯之時、諸侯三千。当今之世、南面称寡人者、乃四。世由此観之、非得失之策与?稍稍誅滅、滅亡無族之時、欲為監門、閭里安可得哉?

書き下し

〔宣王の左右曰く「大王は千乗の地に拠り、千石の鐘を建つ。東南西北、敢えて服せざる莫し。今、夫の士の高き者は、乃ち匹夫と称し、徒歩して農畝の下に処る。則ち鄙野・監門・閭里は士の賤しきなり、亦た甚だし」と。触曰く「古、大禹の時、諸侯万国。舜は農畝より起こりて天子と為る。湯の時に及び、諸侯三千。当今の世、南面して寡人と称する者は乃ち四。世、此に由りて之を観れば、得失の策に非ざるか。稍稍として誅滅し、滅亡して族無きの時、監門・閭里と為らんと欲するも安くんぞ得可けんや。

現代語訳

〔宣王の側近たちが言った。「大王は戦車千乗の領地に拠り、千石の鐘を鋳造しておられます。東南西北、服従しない者はありません。いま士のうち高いとされる者でも、ただの庶民と称し、徒歩で田畑のあたりに住んでいます。田舎者、門番、村人というのは士の賤しい姿であって、それもはなはだしい」。顔触は言った。「昔、大禹の時代には諸侯は一万国ありました。舜は田畑から身を起こして天子となりました。殷の湯の時代になると、諸侯は三千。いまの世で、南面して寡人と称する者はわずか四。世の移り変わりをこうして見れば、これは政策の得失ではありませんか。次々と誅殺され滅び、滅亡して一族が絶えるときになって、門番や村人になりたいと思っても、どうしてなれましょうか。

解説

諸侯が一万から三千、そして四つへと減っていった。顔触はこの数の推移だけで、権力の座がいかに脆いかを示します。側近たちは、庶民でいることを賤しいと言った。顔触の反論は、その庶民ですら、滅びるときには戻れない身分なのだ、というものです。今いる高い場所が安全だと思っている人に対して、その場所からの落ち方を数字で示す。統計で説得するという、きわめて現代的な論法です。

この章句が説くこと

権力脆さ顔触諸侯

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる