長短経 / 察相
魏安釐王問子從曰、「馬回梗梗亮直、大夫之節、吾欲為相、可乎?」答曰、「長目而豕視、則體方而心圓。每以其法相人、千百不失一。臣見回非不偉其體幹、然甚疑其目。」平原君相秦將白起、謂趙王曰、「武安君之為人也、頭而鋭下、瞳子白黑分明、視瞻不轉。小頭而銳下者、斷敢行也、瞳子白黑分明者、見事明也、視瞻不轉者、執志强也。可與持久、難與爭鋒。」王莽大口蹷頤、露目赤睛聲大而身長七尺五寸、反膺仰視、瞰臨左右。或言莽所謂鴟目虎喙豺狼之聲、故噉食人、亦當為人所殺。莽後簒漢位、後兵敗歸、果被殺也。〕
新字:魏安釐王問子従曰、「馬回梗梗亮直、大夫之節、吾欲為相、可乎?」答曰、「長目而豕視、則体方而心円。毎以其法相人、千百不失一。臣見回非不偉其体幹、然甚疑其目。」平原君相秦将白起、謂趙王曰、「武安君之為人也、頭而鋭下、瞳子白黒分明、視瞻不転。小頭而鋭下者、断敢行也、瞳子白黒分明者、見事明也、視瞻不転者、執志強也。可与持久、難与争鋒。」王莽大口蹷頤、露目赤睛声大而身長七尺五寸、反膺仰視、瞰臨左右。或言莽所謂鴟目虎喙豺狼之声、故噉食人、亦当為人所殺。莽後簒漢位、後兵敗帰、果被殺也。〕
書き下し
魏の安釐王、子従に問いて曰く「馬回は梗梗亮直、大夫の節あり。吾れ相と為さんと欲す、可ならんか」と。答えて曰く「長目にして豕視なれば、則ち体は方にして心は円なり。毎に其の法を以て人を相るに、千百に一を失わず。臣、回を見るに其の体幹を偉とせざるに非ず。然れども甚だ其の目を疑う」と。平原君、秦の将白起を相して、趙王に謂いて曰く「武安君の人と為りや、頭にして下鋭く、瞳子は白黒分明、視瞻は転ぜず。小頭にして下鋭き者は、断じて敢えて行うなり。瞳子の白黒分明なる者は、事を見ること明らかなり。視瞻の転ぜざる者は、志を執ること強きなり。与に持久す可く、与に鋒を争い難し」と。王莽は大口蹷頤、露目赤睛、声大にして身長七尺五寸、膺を反らして仰ぎ視、左右を瞰臨す。或るひと言う、莽は所謂鴟目虎喙豺狼の声なり、故に人を噉食す、亦た当に人の殺す所と為るべしと。莽、後に漢の位を簒い、後に兵敗れて帰り、果たして殺されたるなり。〕
現代語訳
魏の安釐王が子従に尋ねた。「馬回は剛直で誠実、大夫の節操がある。私は宰相にしたいが、よいだろうか」。答えて言った。「目が長く豚のような視線なら、体は四角くても心は丸い。いつもこの方法で人を見てきたが、千百に一つも外したことがない。私は馬回の体つきを立派でないとは思いません。しかしその目を非常に疑います」。平原君は秦の将軍白起を見て、趙王に言った。「武安君の人柄は、頭が大きく下が尖り、瞳の白黒がはっきりし、視線が動かない。頭が大きく下が尖っている者は、思い切って実行する。瞳の白黒がはっきりしている者は、物事を見ることが明らかである。視線が動かない者は、志を握ることが強い。持久戦は挑めるが、正面からの決戦は挑みにくい」。王莽は口が大きくあごが張り、目が露わで瞳が赤く、声が大きく身の丈は七尺五寸、胸を反らして仰ぎ見、左右を見下ろした。ある人が言った。王莽はいわゆる梟の目に虎の口、豺狼の声である。だから人を食らう。また人に殺されるだろう、と。王莽はのちに漢の位を簒奪し、のちに敗れて帰り、果たして殺された。〕
解説

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