孫子 / 謀攻篇
故用兵之法,十則圍之,五則攻之,倍則分之,敵則能戰之,少則能守之,不若則能避之。
新字:故用兵之法,十則囲之,五則攻之,倍則分之,敵則能戦之,少則能守之,不若則能避之。
書き下し
故に用兵の法は、十なれば則ち之を囲み、五なれば則ち之を攻め、倍すれば則ち之を分かち、敵すれば則ち能く之と戦い、少なければ則ち能く之を守り、若かざれば則ち能く之を避く。
現代語訳
そこで兵を用いる法則はこうである。十倍の兵力があれば包囲し、五倍あれば攻撃し、二倍あれば敵を分断し、互角なら戦い、劣勢なら守り、及ばなければ避ける。
解説
兵力比に応じた行動が六段階で示されている。数字が具体的なだけでなく、劣勢と絶望的な劣勢を分けているのが優れている。少なければ守る、及ばなければ避ける。守ると避けるは違う行動だ。守るのは同じ場所に留まって耐えること、避けるのは接触そのものを断つことである。多くの人はこの二つを混同し、勝てない相手に対して守りの姿勢で留まり続けて消耗する。事業でも同じ判断が要る。競合に対して自社がどの段階にいるかを見て、包囲するのか、正面から行くのか、分断するのか、守るのか、そもそも近づかないのか。基準が無ければ、いつでも正面から行くことになる。孫子が六段階も刻んだのは、判断を人の気分に任せないためだろう。
この章句が説くこと
兵力比兵力差戦力差戦術段階包囲と分断
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