長短経 / 察相
舉動不使為三賤〔又曰、聲音雌散、亦為三賤。《經》曰、語聲噴噴、面部枯燥、面毛戎戎、無風而塵、皆貧賤相也。夫聲之惡者、鹿濁飛散、細嗄聊亂、聲去則若盡、徃則不還、亂澁細、小沈濁痿弊、舌短唇强、蹇吃無響、此惡相也。夫人不笑似笑、不嗔似嗔、不喜似喜、不畏似畏、不醉似醉、常如宿酲不愁似愁、常如憂戚、容貎闕乏、如經癎病、神色悽愴、常如有失、舉止慞惶、恒如趨急、言語澁縮、若有隱藏、體貎低催如遭凌辱、此並神不足也。神不足者、多牢獄厄。有官隠藏而失、有位貶逐而黜者也。〕
新字:舉動不使為三賤〔又曰、声音雌散、亦為三賤。《経》曰、語声噴噴、面部枯燥、面毛戎戎、無風而塵、皆貧賤相也。夫声之悪者、鹿濁飛散、細嗄聊乱、声去則若尽、往則不還、乱渋細、小沈濁痿弊、舌短唇強、蹇吃無響、此悪相也。夫人不笑似笑、不嗔似嗔、不喜似喜、不畏似畏、不酔似酔、常如宿酲不愁似愁、常如憂戚、容貎闕乏、如経癎病、神色悽愴、常如有失、舉止慞惶、恒如趨急、言語渋縮、若有隠蔵、体貎低催如遭凌辱、此並神不足也。神不足者、多牢獄厄。有官隠蔵而失、有位貶逐而黜者也。〕
書き下し
挙動使われざるを三賤と為す。〔又た曰く、声音雌散なるも、亦た三賤と為す。経に曰く、語声噴噴、面部枯燥、面毛戎戎、風無くして塵あるは、皆な貧賤の相なり。夫れ声の悪しき者は、鹿濁飛散、細嗄聊乱し、声去れば則ち尽くるが若く、往きて還らず、乱れ渋り細く、小さく沈み濁り痿弊し、舌短く唇強く、蹇吃して響き無し、此れ悪相なり。夫れ人、笑わずして笑うに似、嗔らずして嗔るに似、喜ばずして喜ぶに似、畏れずして畏るるに似、酔わずして酔うに似、常に宿酲の如く、愁えずして愁うるに似、常に憂戚の如く、容貌闕乏して、癇病を経たるが如く、神色悽愴として、常に失う有るが如く、挙止慞惶として、恒に急に趨るが如く、言語渋縮して、隠し蔵する有るが若く、体貌低催して凌辱に遭うが如きは、此れ並びに神足らざるなり。神足らざる者は、牢獄の厄多し。官有るも隠蔵して失い、位有るも貶逐せられて黜けらるる者なり。〕
現代語訳
立ち居ふるまいが人に用いられないのが第三の賤である。〔またこうも言う。声が弱々しく散っているのも、第三の賤である。兵法書にこうある。しゃべる声が荒く、顔が乾いてかさつき、顔の毛がもさもさし、風もないのに埃をかぶったようなのは、みな貧賤の相である。声の悪い者は、鹿のように濁って飛び散り、細くかすれて乱れ、声が去れば尽きたようで、行ったきり返らず、乱れ渋り細く、小さく沈み濁ってなえ、舌が短く唇が強張り、どもって響きがない、これが悪い相である。人が、笑っていないのに笑っているように見え、怒っていないのに怒っているように見え、喜んでいないのに喜んでいるように見え、恐れていないのに恐れているように見え、酔っていないのに酔っているように見え、いつも二日酔いのようで、憂えていないのに憂えているように見え、いつも悲しんでいるようで、容貌が欠け乏しく、癇の病を患ったようで、顔つきは物悲しく、いつも何かを失ったようで、立ち居はおどおどして、いつも急いで走っているようで、言葉は渋って縮み、何かを隠しているようで、体つきはうなだれて辱めを受けたようであるのは、これらはみな神が足りないのである。神が足りない者は、牢獄の災いが多い。官職があっても隠れて失い、位があっても貶められて退けられる。〕
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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三略・上略夫れ軍を統べ勢を持する者は将なり。勝を制し敵を敗る者は衆なり。故に乱将は軍を保たしむべからず、乖衆は人を伐たしむべからず。城を攻むるも抜くべからず、邑を囲むも則ち廃れず。二者功無ければ、則ち士力疲憊す。士力疲憊すれば、則ち将は孤にして衆は悖る。以て守れば則ち固からず、以て戦えば則ち奔北す。是を老兵と謂う。兵老ゆれば、則ち将の威行われず。将に威無ければ、則ち士卒は刑を軽んず。士卒刑を軽んずれば、則ち軍は伍を失う。軍伍を失えば、則ち士卒は逃亡す。士卒逃亡すれば、則ち敵は利に乗ず。敵利に乗ずれば、則ち軍は必ず喪ぶ。
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孫子・作戦篇故に智将は敵に食するを務む。敵に食する一鍾は、吾が二十鍾に当たり、萁稈一石は、吾が二十石に当たる。
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司馬法・用眾凡そ戦いは、先んずれば則ち弊(つか)れ、後るれば則ち懾(おそ)れ、息(いこ)えば則ち怠り、息わざるも亦弊れ、息うこと久しきも亦其の懾に反る。
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孫子・作戦篇その戦を用うるや勝つと雖も、久しければ兵鈍く鋭を挫き…国用足らず。
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『韓非子』初見秦第一然り而して兵甲頓れ、士民病み、蓄積索き、田疇荒れ、囷倉虚しく、四隣の諸侯服せず、霸王の名成らず。此れ異なる故無し、其の謀臣皆な其の忠を尽くさざればなり。
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『塩鉄論』詔聖篇文學曰く、民の法を仰ぐは、猶お魚の水を仰ぐがごとし。水清ければ則ち靜かに、濁れば則ち擾る。擾るれば則ち其の居に安んぜず、靜かなれば則ち其の業を樂しむ。其の業を樂しめば則ち富み、富めば則ち仁生じ、贍らば則ち爭い止む。是を以て成・康の世、賞は施す所無く、法は加うる所無し。刑す可くして刑せざるに非ず、民に禁を犯す莫ければなり。賞す可くして賞せざるに非ず、民に仁ならざるは莫ければなり。斯くの若くんば、則ち吏は何を事として理めんや。今の民を治むる者は、拙御の馬を御するがごときなり。行けば則ち之を頓め、止まれば則ち之を擊つ。身は棰に創つき、吻は銜に傷つく。其の失う無きを求むるも、何ぞ得可けんや。幹溪の役は土崩し、梁氏は內潰す。嚴刑も禁ずる能わず、峻法も止むる能わず。故に罷馬は鞭棰を畏れず、罷民は刑法を畏れず。曾ねて之を累ぬと雖も、其れ益有らんや。