長短経 / 察相
似龍者為文吏〔似龍者甚貴。龍行者為三公也。、〕似虎者為將軍〔虎行者為將軍。驛馬骨髙、為將軍也。、〕似牛者為宰輔、似馬者為武吏〔似馬亦甚貴也。、〕似狗者有清官、為方伯〔似猪似猴者、大富貴。似䑕者、惟富而已。凡稱似者、謂動靜並似之。若偏似一處、乃貧寒者也。〕
新字:似竜者為文吏〔似竜者甚貴。竜行者為三公也。、〕似虎者為将軍〔虎行者為将軍。駅馬骨高、為将軍也。、〕似牛者為宰輔、似馬者為武吏〔似馬亦甚貴也。、〕似狗者有清官、為方伯〔似猪似猴者、大富貴。似鼠者、惟富而已。凡称似者、謂動静並似之。若偏似一処、乃貧寒者也。〕
書き下し
龍に似る者は文吏と為る。〔龍に似る者は甚だ貴し。龍行なる者は三公と為るなり。〕虎に似る者は将軍と為る。〔虎行なる者は将軍と為る。駅馬の骨高きは、将軍と為るなり。〕牛に似る者は宰輔と為り、馬に似る者は武吏と為る。〔馬に似るも亦た甚だ貴きなり。〕狗に似る者は清官有りて、方伯と為る。〔猪に似猴に似る者は、大いに富貴なり。鼠に似る者は、惟だ富むのみ。凡そ似ると称する者は、動静並びに之に似るを謂う。若し偏えに一処に似るは、乃ち貧寒なる者なり。〕
現代語訳
龍に似ている者は文官となる。〔龍に似ている者は非常に貴い。龍のような歩き方をする者は三公となる。〕虎に似ている者は将軍となる。〔虎のような歩き方をする者は将軍となる。駅馬の骨が高いのは、将軍となる。〕牛に似ている者は宰相となり、馬に似ている者は武官となる。〔馬に似ているのもまた非常に貴い。〕犬に似ている者は清廉な官職に就き、地方長官となる。〔猪や猿に似ている者は大いに富貴である。鼠に似ている者は、ただ富むだけである。およそ似ているというのは、動きも静けさもそれに似ていることをいう。もし一か所だけが似ているのは、貧しく寒い者である。〕
解説
獣にたとえる相法ですが、末尾の注意書きが肝心です。似ているというのは、動きも静けさもすべてがそれに似ていることであって、一か所だけ似ているのは何の意味もない、と。部分ではなく全体の統一を見よ、という指示です。これは人物評価一般に効きます。ある一点が強く印象に残る人を、その一点で判断してしまうことがある。全体が一つの型として通っているかどうかを見よ、というのは厳しくも正しい基準です。
この章句が説くこと
察相獣全体部分竜虎統一
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