長短経 / 察相
七門二儀、〔七門者、兩姦門、兩闕門、兩命門、一庭中。二儀者、頭圓法天、足方象地。天欲得髙、地欲得厚。若頭小足薄、貧賤人也、七門皆好、富貴人也。總而言之、額為天、頥為地、鼻為人、左目為日、右目為月。天欲張、地欲方、人欲深廣、日月欲光。天好者貴、地好者富、人好者壽、日月好者茂。上停為天、主父母貴賤、中停為人、主昆弟妻子、仁義年夀、下停為地、主田宅奴婢、畜牧飲食也。〕
新字:七門二儀、〔七門者、両姦門、両闕門、両命門、一庭中。二儀者、頭円法天、足方象地。天欲得高、地欲得厚。若頭小足薄、貧賤人也、七門皆好、富貴人也。総而言之、額為天、頥為地、鼻為人、左目為日、右目為月。天欲張、地欲方、人欲深広、日月欲光。天好者貴、地好者富、人好者寿、日月好者茂。上停為天、主父母貴賤、中停為人、主昆弟妻子、仁義年寿、下停為地、主田宅奴婢、畜牧飲食也。〕
書き下し
七門二儀、〔七門とは、両姦門、両闕門、両命門、一庭中なり。二儀とは、頭は円くして天に法り、足は方にして地に象る。天は高きを得んことを欲し、地は厚きを得んことを欲す。若し頭小さく足薄ければ、貧賤の人なり。七門皆な好ければ、富貴の人なり。総べて之を言えば、額を天と為し、頤を地と為し、鼻を人と為し、左目を日と為し、右目を月と為す。天は張らんことを欲し、地は方ならんことを欲し、人は深広ならんことを欲し、日月は光らんことを欲す。天好き者は貴く、地好き者は富み、人好き者は寿く、日月好き者は茂んなり。上停を天と為し、父母の貴賤を主る。中停を人と為し、昆弟妻子・仁義年寿を主る。下停を地と為し、田宅奴婢・畜牧飲食を主る。〕
現代語訳
七門と二儀。〔七門とは、両の姦門、両の闕門、両の命門、一つの庭中である。二儀とは、頭が円くて天にのっとり、足が四角くて地にかたどるということである。天は高いことを求め、地は厚いことを求める。もし頭が小さく足が薄ければ、貧賤の人である。七門がみな良ければ、富貴の人である。まとめて言えば、額を天とし、あごを地とし、鼻を人とし、左目を日とし、右目を月とする。天は広がることを求め、地は四角いことを求め、人は深く広いことを求め、日月は光ることを求める。天が良い者は貴く、地が良い者は富み、人が良い者は長生きし、日月が良い者は盛んである。顔の上三分の一を天とし、父母の貴賤をつかさどる。中三分の一を人とし、兄弟妻子・仁義・年寿をつかさどる。下三分の一を地とし、田宅・奴婢・牧畜・飲食をつかさどる。〕
解説
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関連する章句
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『長短経』察相五官六府、〔五官とは、口一、鼻二、耳三、目四、人中五なり。六府とは、両行の上を二府と為し、両輔角を四府と為し、両顴衡の上を六府と為す。一官好ければ十年貴く、一府好ければ十年富む。五官六府皆な好ければ、富貴已む無し。左を文と為し、右を武と為すなり。〕九州八極、〔九州とは、額の左より右に達し、縦理無く、敗絶せず、状の覆肝の如き者を善しと為す。八極とは、鼻に登りて望み、八方形を成し、相い傾かざる者を良と為すなり。〕
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『長短経』察相天中は貴を主る。気平らかに満つる者は官禄に宜しきなり。〔天中は最も高く、髪際に近し。黄色を発し、上は正角に入り、高広に至れば、参駕して刺史牧守に遷る。黄色、日月の如く、天中の左右に在れば、天子に侍るなり。黄色、天中を出でて、円大光重なる者は、暴かに天子に見え、功有りて封を受く。年を経て井竈に及び、恒に黄気有りて、鐘鼓を懸くるが如きは、三公の相なり。又た黄気を発して龍形の如きも、亦た封を受くるなり。四時の官気、天部に発して、鏡光の如き者は、暴貴の相なり。〕
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『長短経』察相高広は方伯の坐を主る。〔天中より横に列して髪際に至るまで、凡そ七名。高広の位は第三に在り。高広に忽ち黄色を発して、両人の鼓を捉うるが如き者は、将軍の相なり。〕陽尺は州佐の官を主る。〔横に高広に次ぐ、位は第四に在り。陽尺は亦た少しく出づるを主る。方伯に気有れば、遠行を憂うるなり。〕武庫は兵甲典庫の吏を主る。〔横に陽尺に次ぐ、位は第五に在り。〕輔角は遠州刺史の官を主る。〔横に武庫に次ぐ、位は第六に在り。骨起き色好ければ、黄門舎人の官を主るなり。〕辺地は辺州の任を主る。〔横に輔角に次ぐ、位は第七に在り。黒子有れば、落難して奴と為るなり。〕
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『長短経』察相性霊を言う者は容止に存す。斯れ其の大体なり。夫れ人を相るには先ず其の面を視る。面に五岳四瀆有り。〔五岳とは、額を衡山と為し、頬頤を恒山と為し、鼻を嵩山と為し、左顴を泰山と為し、右顴を華山と為す。四瀆とは、鼻孔を済と為し、口を河と為し、目を淮と為し、耳を江と為す。五岳は聳峻円満ならんことを欲し、四瀆は深大にして崖岸成就せんことを欲す。五岳成る者は富人なり、豊かならざれば則ち貧なり。四瀆成る者は貴人なり、成らざれば則ち賤なり。〕
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『長短経』察相耳輪厚大、鼻準円実、乳頭端浄、頦頤深広厚大なる者は、忠信謹厚の人なり。〔脾は出でて肉と為り、肉は窮まりて孔と為り、又た耳輪、準・鼻梁・頦頤等を主り、意に蔵る。経に曰く、夫れ頭高大なる者は、性は自在にして人を凌ぐを好む。頭卑弊なる者は、性は人に随いて細砕なり。故に曰く、鹿頭側長なれば、志気雄強。兔頭蔑頡なれば、意志下劣。獺頭横闊なれば心意豁達。夫れ頸細くして曲がる者は、自ら樹立せざるの人なり。若し色斑駁或いは潔浄ならざる者は、性は宜しきに随いて堅固ならず。夫れ手の繊長なる者は、施捨を好む。短厚なる者は、取るを好む。捨つるは則ち庶幾く、取るは則ち貪惜す。故に曰く、手、鶏足の如くんば、意智褊促。手、猪蹄の如くんば、志意昏迷。手、猴掌の如くんば、勤劬伎倆。夫れ背の厚闊なる者は剛決の人なり、薄き者は怯弱の人なり。夫れ腹の端妍なる者は、才華の人なり。故に曰く、牛腹婪貪なれば、財物自ずから淹る。蝦蟇腹なる者は懶人なり。夫れ腰の端美なる者は、則ち楽しみて能く人に任ず。蜥蜴腰なる者は緩人なり。夫れ臀髀厚広なる者は、任ず可く安穏の人なり。夫れ蛇行する者は含毒の人なり、之と事を共にす可からず。鳥行蹌蹌たるは、性行不良なり、鳥鵲の行くに似るなり。鷹行は雄烈。豺狼行なる者は、性麤にして利を覓むる人なり。牛行は性直なり。馬行は猛烈の人なり。〕
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『長短経』察相輔角稜を成し、倉庫皆な平らかなる者は、七品の候なり。〔又た曰く、胸厚く頸粗く、臂は跮傭均しく、語は調いて顧は定まる者、此れ皆な七品の候なり。夫れ頸は粗短を須ち、手臂は繊長を須ち、語は簧及び鳳の如きを須つ、此れ皆な貴相なり。故に経に曰く、額角高く聳ゆれば、職位優重。虎頸円粗なれば、富貴余り有り。牛顧虎視なれば、富貴比び無し。天倉満つれば天禄を得、地倉満つれば酒肉豊かなり。〕天中豊隆、印堂端正なるは、六品の候なり。〔又た曰く、脳起き身方に、手厚く腰円く、声清く音朗らかなる者、此れ皆な六品の候なり。夫れ人の額上は天に連なり、中下は司空に及ぶ。骨有りて肉の環の如き若きは、名づけて天城と曰う。周匝して欠くる無き者は大貴、欠けて門の若き者有るは三公と為る。夫れ声は深実を須つ。大にして濁らず、小にして能く彰れ、遠くして散ぜず、近くして亡びず、余音は激澈して、篁有るが若きに似、宛転流韻、能く円く能く長し、此れ善き者なり。宮声は重大沈壅、商声は堅勁広博、角声は円長通徹、徴声は抑揚流利、羽声は奄藹低曳、此れ正声と謂うなり。〕