長短経 / 察相
由此觀之、以相察士、其來尚矣。故曰、富貴在於骨法、憂喜在於容色。〔《經》曰、「青主憂、白主哭泣、黑主病、赤主驚恐、黄主慶喜。凡此五色、並以四時判之。春三月、青色王、赤色相、白色囚、黄、黑二色皆死。夏三月、赤色王、白色、黄色皆相、青色死、黑色囚。秋三月、白色王、黑色相、赤色死、青、黄二色皆囚。冬三月、黑色王、青色相、白色死、黄與赤二色囚。若得其時、色王、相者、吉、不得其時、色王、相若囚、死者、凶魏管輅徃族兄家、見二客。客去、輅謂兄曰、「若此二人、天庭及口耳之間、同有凶氣、異變俱起、雙魂無定流魂於海、骨歸於家。」後果溺死。此略舉色變之效。〕
新字:由此観之、以相察士、其来尚矣。故曰、富貴在於骨法、憂喜在於容色。〔《経》曰、「青主憂、白主哭泣、黒主病、赤主驚恐、黄主慶喜。凡此五色、並以四時判之。春三月、青色王、赤色相、白色囚、黄、黒二色皆死。夏三月、赤色王、白色、黄色皆相、青色死、黒色囚。秋三月、白色王、黒色相、赤色死、青、黄二色皆囚。冬三月、黒色王、青色相、白色死、黄与赤二色囚。若得其時、色王、相者、吉、不得其時、色王、相若囚、死者、凶魏管輅往族兄家、見二客。客去、輅謂兄曰、「若此二人、天庭及口耳之間、同有凶気、異変倶起、双魂無定流魂於海、骨帰於家。」後果溺死。此略舉色変之効。〕
書き下し
此に由りて之を観れば、相を以て士を察すること、其の来たること尚し。故に曰く、富貴は骨法に在り、憂喜は容色に在り。〔経に曰く「青は憂を主り、白は哭泣を主り、黒は病を主り、赤は驚恐を主り、黄は慶喜を主る。凡そ此の五色は、並びに四時を以て之を判ず。春三月は青色王たり、赤色相たり、白色囚たり、黄・黒の二色は皆な死たり。夏三月は赤色王たり、白色・黄色は皆な相たり、青色死し、黒色囚たり。秋三月は白色王たり、黒色相たり、赤色死し、青・黄の二色は皆な囚たり。冬三月は黒色王たり、青色相たり、白色死し、黄と赤の二色は囚たり。若し其の時を得て色の王・相なる者は吉、其の時を得ずして色の王・相なるも若しくは囚・死なる者は凶なり」と。魏の管輅、族兄の家に往き、二客を見る。客去りて、輅、兄に謂いて曰く「此の二人の若きは、天庭及び口耳の間、同じく凶気有り。異変倶に起こり、双魂定まる無く、魂を海に流し、骨を家に帰さん」と。後に果たして溺死す。此れ略ぼ色の変ずるの効を挙ぐ。〕
現代語訳
ここから見れば、相によって人を見分けることは、その由来が古い。だからこう言う。富貴は骨格にあらわれ、憂いと喜びは顔色にあらわれる、と。〔兵法書にこうある。「青は憂いをつかさどり、白は泣くことをつかさどり、黒は病をつかさどり、赤は驚きと恐れをつかさどり、黄は慶事と喜びをつかさどる。これら五色は、すべて四季によって判断する。春の三か月は青が旺盛、赤がそれに次ぎ、白は閉じこめられ、黄と黒はともに死ぬ。夏の三か月は赤が旺盛、白と黄がそれに次ぎ、青は死に、黒は閉じこめられる。秋の三か月は白が旺盛、黒がそれに次ぎ、赤は死に、青と黄はともに閉じこめられる。冬の三か月は黒が旺盛、青がそれに次ぎ、白は死に、黄と赤は閉じこめられる。もし季節に合っていて色が旺盛または次位であれば吉。季節に合わずに旺盛または次位、あるいは閉じこめられ死んでいれば凶である」。魏の管輅が親族の兄の家へ行き、二人の客を見た。客が去ってから、管輅は兄に言った。「あの二人は、額と口耳の間にともに凶の気があります。変事がともに起こり、二つの魂は定まらず、魂を海に流し、骨だけが家に帰るでしょう」。のちに果たして溺死した。これがおおよそ顔色の変化のあらわれである。〕
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『長短経』察相若し夫れ顴骨纔かに起こり、膚色潤沢なる者は、九品の候なり。〔又た曰く、腰腹相い深く称い、臀髀纔かに厚く、高く視て広く走る、此れ皆な九品の候なり。夫れ色は厚重を須ち、腰は広長を須つ。故に経に曰く、面は黄瓜の如くんば、富貴栄華。白きこと截脂の如く、黒色は漆の如く、紫色は椹の如く、腰広く面長く、腹は垂嚢の如く、行くこと鵞龜の如きは、此れ皆な富貴の人なり。凡そ公侯将相已下を論ずる者は、班品を論ぜざるなり。〕輔骨小しく見れ、鼻準微かに端なるは、八品の候なり。〔又た曰く、胸背微かに豊かに、手足悦沢にして、身は端しく歩は平らかなる者、此れ皆な八品の候なり。夫れ鼻は洪直にして長きを須ち、胸脾は豊厚にして龜形の如きを須ち、手足の色は赤白を須つ、此れ皆な富貴の人なり。故に経に曰く、手足綿の如くんば、富貴終年。手足厚く好ければ、立ちどころに傍らに使わる。〕
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『長短経』察相夫れ命と相とは、猶お声と響きとのごときなり。声は幾に動き、響きは応に窮まる。必然の理なり。言を以て行を信ずるは宰予に之を失い、貌を以て性を度るは子羽に之を失うと云うと雖も、然れども伝に称す「憂い無くして戚めば、憂い必ず之に及ぶ。慶び無くして歓べば、楽しみ必ず之を還す」と。此れ心に先ず動く有りて神に先ず知る有れば、則ち色に先ず見わるる有り。故に扁鵲は桓公を見て、其の将に亡びんとするを知る。申叔は巫臣を見て、其の妻を竊むを知る。或いは馬を躍らせ珍を膳し、或いは飛びて肉を食らい、或いは早くは隷にして晩くは侯たり、或いは初めは刑せられ末には王たり。銅巌も以て生を飽かしむる無く、玉饌も餓死に終わる。則ち彼の表を度り骨を捫し、色を指し理を摘むこと、誣う可からざるなり。故に列すること云爾。
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『長短経』察相夫れ木は春を主る、生長の行なり。〔春は肝を主り、肝は目を主り、目は仁を主る。生長敷栄する者は、恕恵を施し与うるの意なり。〕火は夏を主る、豊盛の時なり。〔夏は心を主り、心は舌を主り、舌は礼を主る。豊盛殷阜なる者は、富博宏通の義なり。〕金は秋を主る、収蔵の節なり。〔秋は肺を主り、肺は鼻を主り、鼻は義を主る。収蔵聚斂する者は、吝嗇慳鄙の情なり。〕水は冬を主る、万物伏匿の日なり。〔冬は腎を主り、腎は耳を主り、耳は智を主る。伏匿隠蔽する者は、邪諂奸佞の懐なり。〕土は季夏を主る、万物結実の月なり。〔季夏は脾を主り、脾は唇を主り、唇は信を主る。結実堅確なる者は、貞信謹厚の理なり。〕故に曰く、凡そ人の眉目を美とし、指爪を好くする者は、庶幾くは施しを好む人なり。
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『長短経』察相天中は貴を主る。気平らかに満つる者は官禄に宜しきなり。〔天中は最も高く、髪際に近し。黄色を発し、上は正角に入り、高広に至れば、参駕して刺史牧守に遷る。黄色、日月の如く、天中の左右に在れば、天子に侍るなり。黄色、天中を出でて、円大光重なる者は、暴かに天子に見え、功有りて封を受く。年を経て井竈に及び、恒に黄気有りて、鐘鼓を懸くるが如きは、三公の相なり。又た黄気を発して龍形の如きも、亦た封を受くるなり。四時の官気、天部に発して、鏡光の如き者は、暴貴の相なり。〕
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『長短経』察相鼻孔小さく縮み、準頭低く曲がる者は、慳吝の人なり。〔肺は出でて鼻孔と為り、又た皮膚を主り、又た気息と為り、魄に蔵る。鼻好き者は、声誉有り。鼻柱薄くして梁陥る者は、病厄多き人なり。鼻に媚無きは、憨惷の人なり。蜣蜋鼻は、意智少なき人なり。〕耳孔小さく、歯瓣細き者は、邪諂姦佞の人なり。〔腎は出でて骨と為り、又た髄を主る。髄は窮まりて耳孔と為り、骨は窮まりて歯と為り、志に蔵る。経に曰く、耳亢く深広なる者は、心虚にして玄を識る。耳孔醜小なる者は、智無くして神理を信ぜず。耳辺に媚無きは鄙拙の人なり。耳孔小さくして節骨曲戻する者は、意智無き人なり。老鼠耳なる者は、人を殺して死せず。又た云う、鼠耳の人は、多く偸盗を作す者なり。〕
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『長短経』察相鼻成就せず、準前に向かいて低きを四賤と為す。〔又た曰く、眇目斜視なるも、亦た四賤と為す。経に曰く、人中平満、耳に輪郭無きは、皆な貧賤の相なり。〕脚長く腰短きを五賤と為す。〔又た曰く、唇傾き鼻曲がるも、亦た五賤と為す。経に曰く、蛇行雀趨なれば、財物に儲え無し。鼻枉み薄ければ、立諾を主る。鼻頭低く垂るれば、老に至るまで独り吹く。腰を揺らし歩を急にすれば、必ず使う所無し。腰短き者は則ち人に職を奪わるるなり。〕文策成らず、唇細く横長きを六賤と為す。〔又た曰く、多言少信なるも、亦た六賤と為す。経に曰く、口薄ければ、人提携せず。僻側なれば、人の毀る所と為る。口、火を吹くが如くんば、老に至るまで独り坐す。舌色白きは下賤の人なり。舌短きは貧賤の人なり。凡そ人の是れ賤なるを知らんと欲せば、貴き処少なくして賤しき処多し。多しとは広きなり、少なしとは狭きなり。六賤備われば其れ僕隷の人と為るなり。〕此れ貴賤の骨骼に存する者なり。