長短経 / 察相
宋孔熈光就姚生曰、「夫相人也、天欲其圓、地欲其方、眼欲光曜、鼻須柱梁。四瀆欲明、五岳欲强。此數者、君無一焉。又君之眸子、眽眽如望、羊行委曲而失歩、聲嘶散而不揚。豈唯失其福祿、將乃罹其禍殃。」後皆謀反、被殺之矣。〕
新字:宋孔熈光就姚生曰、「夫相人也、天欲其円、地欲其方、眼欲光曜、鼻須柱梁。四瀆欲明、五岳欲強。此数者、君無一焉。又君之眸子、眽眽如望、羊行委曲而失歩、声嘶散而不揚。豈唯失其福禄、将乃罹其禍殃。」後皆謀反、被殺之矣。〕
書き下し
宋の孔熙光、姚生に就きて曰く「夫れ人を相るや、天は其の円きを欲し、地は其の方なるを欲し、眼は光曜たるを欲し、鼻は柱梁を須つ。四瀆は明らかならんことを欲し、五岳は強からんことを欲す。此の数者、君に一だに無し。又た君の眸子は、眽眽として望むが如く、羊行は委曲して歩を失い、声は嘶散して揚がらず。豈に唯だ其の福禄を失うのみならんや、将に乃ち其の禍殃に罹らんとす」と。後に皆な謀反して、之を殺さる。〕
現代語訳
宋の孔熙光が姚生に向かって言った。「人を見るには、額は円いことを求め、あごは四角いことを求め、目は輝きを求め、鼻は柱のような通りを必要とする。四つの川すじ(鼻孔・口・目・耳)は明るいことを求め、五つの山(額・あご・鼻・両頬骨)は強いことを求める。この数項目のうち、あなたには一つもない。またあなたの瞳は、ぼんやりと遠くを望むようであり、羊のような歩き方は曲がって歩調を失い、声はかすれて散り、上がらない。ただ福禄を失うだけではない。まさに禍に遭おうとしている」。のちにみな謀反して、殺された。〕
解説
相法の項目が具体的に列挙されます。額・あご・目・鼻、四瀆と五岳。この用語はこのあとの段で詳しく定義されていきます。ここで一つ気づくのは、孔熙光が最後に挙げた三つが顔の造作ではないことです。瞳がぼんやりしている、歩調が乱れている、声がかすれて上がらない。これらは生まれつきではなく、状態です。骨格ではなく今の調子を見ている。人相の書の中に、体調と気力の観察がまぎれこんでいます。
この章句が説くこと
察相人相五岳四瀆声歩き方状態
関連する章句
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