長短経 / 量才
太公曰、「多言多語、惡口惡舌、終日言惡、寢卧不絶、為衆所憎、為人所疾。此可使要遮閭巷、察姦伺禍。權數好事、夜卧早起、雖劇不悔、此妻子之將也。先語察事、權勸而與食、實長希言、財物平均、此十人之將也。忉忉截截、垂意肅肅、不用諫言、數行刑戮、刑必見血、不避親戚、此百人之將也。訟辯好勝、嫉賊侵凌、斤人以刑、欲整一衆、此千人之將也。外貎怍怍、言語時出、知人飢飽、習人劇易、此萬人之將也。戰戰慄慄、日慎一日、近賢進謀、使人知節、言語不慢、忠心誠畢、此十萬人之將也。
新字:太公曰、「多言多語、悪口悪舌、終日言悪、寝臥不絶、為衆所憎、為人所疾。此可使要遮閭巷、察姦伺禍。権数好事、夜臥早起、雖劇不悔、此妻子之将也。先語察事、権勧而与食、実長希言、財物平均、此十人之将也。忉忉截截、垂意粛粛、不用諫言、数行刑戮、刑必見血、不避親戚、此百人之将也。訟弁好勝、嫉賊侵凌、斤人以刑、欲整一衆、此千人之将也。外貎怍怍、言語時出、知人飢飽、習人劇易、此万人之将也。戦戦慄慄、日慎一日、近賢進謀、使人知節、言語不慢、忠心誠畢、此十万人之将也。
書き下し
太公曰く「多言多語、悪口悪舌、終日悪を言い、寝臥絶えず、衆の憎む所と為り、人の疾む所と為る。此れ閭巷を要遮し、姦を察し禍を伺わしむ可し。権数事を好み、夜臥し早く起き、劇しと雖も悔いず。此れ妻子の将なり。先に語りて事を察し、権勧して食を与え、実は長にして言を希にし、財物平均なり。此れ十人の将なり。忉忉截截、意を垂れて粛粛たり、諫言を用いず、数しば刑戮を行い、刑すれば必ず血を見、親戚を避けず。此れ百人の将なり。訟弁して勝つを好み、嫉賊侵陵し、人を斤るに刑を以てし、一衆を整えんと欲す。此れ千人の将なり。外貌怍怍として、言語時に出で、人の飢飽を知り、人の劇易に習う。此れ万人の将なり。戦戦慄慄、日に一日を慎み、賢に近づき謀を進め、人をして節を知らしめ、言語慢らず、忠心誠に畢る。此れ十万人の将なり。
現代語訳
太公望はこう言った。「言葉数が多く、口が悪く、一日中悪口を言い、寝てもやまず、皆に憎まれ人に嫌われる。こういう者は、街路を見張らせ、不正を探り災いを見張らせるのに使える。策略と事を好み、夜遅く寝て早く起き、きつくても悔やまない。これは妻子だけを率いる将である。先に話して事情を察し、励まして食を与え、実質があって口数は少なく、財物の分配が公平である。これは十人の将である。くどくどと細かく、意を凝らして厳めしく、諌言を聞かず、たびたび処刑を行い、刑すれば必ず血を見せ、身内も容赦しない。これは百人の将である。議論して勝ちたがり、妬んで人を害し侵し、人を刑罰で切り、全体を一つに整えようとする。これは千人の将である。外見は慎み深く、言葉は時に応じて出て、部下の飢えと満腹を知り、仕事のきつさ楽さに通じている。これは万人の将である。おののき慄き、一日一日を慎み、賢者に近づいて策を求め、人に節度を知らせ、言葉をおろそかにせず、忠誠の心を誠に尽くしきる。これは十万人の将である。
解説

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