長短経 / 量才
通於人事、行猶舉繩、通於關梁、實於府庫、如是者、舉以為大夫。故大夫之事常在於仁。〔蜀丞相諸葛亮主簿楊顒曰、「坐而論道、謂之三公、作而行之、謂之卿大夫。」〕
新字:通於人事、行猶舉縄、通於関梁、実於府庫、如是者、舉以為大夫。故大夫之事常在於仁。〔蜀丞相諸葛亮主簿楊顒曰、「坐而論道、謂之三公、作而行之、謂之卿大夫。」〕
書き下し
人事に通じ、行いは猶お縄を挙ぐるがごとく、関梁に通じ、府庫を実たす。是くの如き者は、挙げて以て大夫と為す。故に大夫の事は常に仁に在り。〔蜀の丞相諸葛亮の主簿楊顒曰く「坐して道を論ずる、之を三公と謂う。作して之を行う、之を卿大夫と謂う」と。〕
現代語訳
人の事情に通じ、行いは墨縄を張ったようにまっすぐで、関所や橋に通じ、蔵を満たす。このような者は、取り立てて大夫とする。だから大夫の仕事は常に仁の上にある。〔蜀の丞相諸葛亮の主簿であった楊顒はこう言った。「座って道を論じる、これを三公という。実際に動いて行う、これを卿大夫という」。〕
解説
大夫は実務の最上位で、人の事情に通じ、流通を通し、蔵を満たします。楊顒の割注が的確で、座って論じるのが三公、動いて行うのが卿大夫だと線を引きます。楊顒はこの言葉で、自ら帳簿を調べていた諸葛亮を諌めた人物です。トップが実務に降りると、実務の担当者は行き場を失う。仕事の階層は能力の階層ではなく、動くか動かないかの分担だ、という指摘は今も効きます。
この章句が説くこと
大夫仁職階諸葛亮楊顒分担
関連する章句
-
論語・雍也篇宰我問いて曰く、「仁者は之に告げて『井に仁有り』と曰うと雖も、其れ之に従わんか。」子曰く、「何為れぞ其れ然らんや。君子は逝かしむ可きも、陥る可からず。欺く可きも、罔う可からず。」
-
論語・八佾篇子曰く、人にして仁ならずんば、礼を如(いかん)せん;人にして仁ならずんば、楽を如せん。
-
論語・憲問篇「克・伐・怨・欲、行われずんば、以て仁と為す可きか。」子曰く、「以て難しと為す可し。仁は則ち吾知らざるなり。」
-
論語・里仁篇子曰わく、不仁者は久しく約に処るべからず、長く楽に処るべからず。仁者は仁に安んじ、知者は仁を利とす。
-
論語・里仁篇子曰わく、ただ仁者のみよく人を好み、よく人を悪む。
-
論語・微子篇微子これを去り、箕子これに為に奴となり、比干諫めて死す。孔子曰わく、殷に三仁有り。