長短経 / 大体
〔議曰、孫卿云、「脩禮者王、為政者强、取人者安、聚斂者亡。故王者富人、霸者富士、僅存之國富大夫、亡國富筐篋、寔府庫。是謂上溢下漏。」又曰、「天子不言多少、諸侯不言利害、大夫不言得失。」
新字:〔議曰、孫卿云、「脩礼者王、為政者強、取人者安、聚斂者亡。故王者富人、覇者富士、僅存之国富大夫、亡国富筐篋、寔府庫。是謂上溢下漏。」又曰、「天子不言多少、諸侯不言利害、大夫不言得失。」
書き下し
〔議に曰く、孫卿云う「礼を修むる者は王たり、政を為す者は強く、人を取る者は安く、斂を聚むる者は亡ぶ。故に王者は人を富ませ、覇者は士を富ませ、僅かに存する国は大夫を富ませ、亡国は筐篋を富ませ府庫を実たす。是れを上溢れ下漏ると謂う」と。又曰く「天子は多少を言わず、諸侯は利害を言わず、大夫は得失を言わず」と。
現代語訳
〔議していう。荀子にこうある。「礼を修める者は王となり、政治を行う者は強くなり、人を集める者は安泰となり、税を取り立てる者は滅びる。だから王者は民を富ませ、覇者は士を富ませ、かろうじて保っている国は大夫を富ませ、滅びる国は箱を富ませ蔵を満たす。これを上が溢れて下が漏れる、という」。またこうある。「天子は財の多い少ないを口にせず、諸侯は利害を口にせず、大夫は損得を口にしない」。
解説
誰を富ませているかで、その国の余命が分かる、という診断です。王者は民、覇者は人材、生き延びるのがやっとの国は幹部、滅びる国は金庫。上へ行くほど、富ませる相手が遠くなっていくのが分かります。上が溢れて下が漏れるという言い方は、蔵に積み上がるほど現場が痩せていく姿を言い当てています。決算は過去最高なのに人が辞めていく組織は、まさにこの状態にあります。
この章句が説くこと
民を富ませる利上溢下漏荀子覇者王道
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