武士道 / 第十三章 刀・武士の魂・婦人の教育に説き及ぶ
婦人の理想をも風化して、アマゾニアン的なる勇婦の性格を好尙するに至りたるの跡を考察せんが爲、予は今是より少しく、婦人の教育及び其地位に就いて說く所あるべし。
新字:婦人の理想をも風化して、アマゾニアン的なる勇婦の性格を好尚するに至りたるの跡を考察せんが為、予は今是より少しく、婦人の教育及び其地位に就いて説く所あるべし。
書き下し
婦人の理想をも風化して、アマゾニアン的なる勇婦の性格を好尚するに至りたるの跡を考察せんが為、予は今是より少しく婦人の教育及び其地位に就いて説く所あるべし。
現代語訳
(武士が武の性質ばかりを励ましたことによって)女性の理想までも感化し、アマゾン族のような勇ましい女性の性格を好むようになった跡をたどるために、私はこれから少し、女性の教育とその地位について述べることにする。
解説
刀の章を閉じ、次の婦人の章へ橋を渡す短い一段です。新渡戸は、武士が武の鍛錬に傾いたことが、女性の理想にまで影響し、ギリシア神話の女戦士アマゾンのような勇ましい女性像が好まれるようになったと見ています。つまり次章は、武士道の外にある話ではなく、武士道が家庭と女性をどう形づくったかを見る章だと予告しているのです。新渡戸は女子教育に深く関わり、のちに東京女子大学の初代学長も務めました。女性の地位を西洋の読者にどう説明するかは、彼にとって避けて通れない問題でした。ある社会の理想が、その中にいる人々の生き方の幅をどう決めてしまうか。あなたの周りの理想像は、誰かの生き方を狭めていないでしょうか。
この章句が説くこと
婦人教育理想勇婦アマゾン
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