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武事提要 / 山鹿高恒傳・山鹿高恒の伝と武事提要の由来

山鹿高恒、字は子原、將監と稱す、實に素行の子なりといふ、然れども素行の傳中其の名なし、或は長女の婿津輕將監にあらざるか、今姑らく疑を存す、本書に收載する「武事提要」一卷は、寳永六年其人の筆錄する所にして、本と岡谷勝規等の寫記に係り、後明治八年二月內務省に於て岡谷繁實氏更に之れを寫し、今內閣文庫に藏す、第一項「武敎之本源」の終に記して曰はく「家傳は高祐兩子、山鹿將監高恒、同藤介高基相續之」と、

新字:山鹿高恒、字は子原、将監と称す、実に素行の子なりといふ、然れども素行の伝中其の名なし、或は長女の婿津軽将監にあらざるか、今姑らく疑を存す、本書に収載する「武事提要」一巻は、宝永六年其人の筆録する所にして、本と岡谷勝規等の写記に係り、後明治八年二月内務省に於て岡谷繁実氏更に之れを写し、今内閣文庫に蔵す、第一項「武教之本源」の終に記して曰はく「家伝は高祐両子、山鹿将監高恒、同藤介高基相続之」と、

書き下し

山鹿高恒、字は子原、將監と稱す、實に素行の子なりといふ、然れども素行の傳中其の名なし、或は長女の婿津輕將監にあらざるか、今姑らく疑を存す、本書に收載する「武事提要」一卷は、寳永六年其人の筆錄する所にして、本と岡谷勝規等の寫記に係り、後明治八年二月內務省に於て岡谷繁實氏更に之れを寫し、今內閣文庫に藏す、第一項「武敎之本源」の終に記して曰はく「家傳は高祐兩子、山鹿將監高恒、同藤介高基相續之」と、

現代語訳

山鹿高恒、字は子原、将監と称します。実に素行の子だといいますが、素行の伝のなかにその名はなく、あるいは長女の婿の津軽将監ではないかとも思われ、今しばらく疑いを残しておきます。本書に収める「武事提要」一巻は、宝永六年にその人が筆録したもので、もと岡谷勝規らの写記によるものです。のち明治八年二月に内務省で岡谷繁実氏がさらにこれを写し、今は内閣文庫に蔵しています。第一項「武教之本源」の終わりに「家伝は高祐の両子、山鹿将監高恒、同藤介高基がこれを相続した」と記してあります。

解説

『武事提要』の由来を記した項目です。山鹿高恒が素行の子とされながら、素行の伝には名がなく、疑いを残していること、宝永六年の筆録が写しを重ねて内閣文庫に伝わったことが述べられます。分からない点を分からないまま残す書き方が印象的です。管理職にとっても、引き継ぎ資料や報告書で、確かな事実と推測を分けて書く姿勢は信頼の基本です。出所や経緯を明記しておけば、後任者や部下が安心して判断の根拠にできます。
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